第28章 大型魔獣と突然変異
メディ
「この話も、もう少ししたい所だが…問題が起こっていてね」
レティシア
「問題?」
メディ
「嗚呼。…ここ最近、大型魔獣の暴走が活発化している」
レティシア
「大型魔獣が…」
ルシアン
「確かに最近、前よりも頻繁に通報が入るな」
レティシア
「…もしかして」
思い当たる人物がいた事でレティシアの唇から、するりと言葉が落ちる。それをメディが拾い上げる
メディ
「誰か検討がつくのかい?」
レティシア
「嗚呼…実は─」
レティシアは神殿のような場所でエドゥアルに会った事を話した。それを時々、相槌を打ちながら聞いていたメディだったが…聞き終えると深い息を吐き出して背もたれに身を預けた。
メディ
「彼がそんな事を考えていたなんてね…。彼の気持ちも全く分からない訳では無いが…その判断は理解出来ないね。仮に彼が大型魔獣を暴走させているとしたら─」
レティシア
「ぜってぇ捕まえる」
メディの言葉を遮ったレティシアの声には怒りがこもっていた。エドゥアルの言葉が本当だとしたら、彼が行っている事に自分が関わっている…自分の為に誰かを傷付けようとしているのなら、とレティシアはそれが許せなかった。
命を懸けて守っている人達を奪われるのはエドゥアルが守りたいと思っているレティシアを間接的に傷付けている、と彼は気付いていないのだろう。
メディ
「そうだね。…私の方でも位置特定を試してみる」
レティシア
「嗚呼」
そこで話を終えるとレティシアとルシアンは司令官室を後にし、特別室に戻ると先程の話を全員に共有した。
─ピピッ
レティシア
「…今回は森か。ソフィア」
ソフィア
「はい…受け取り、ました」
レティシア
「大型魔獣の数は2体。ルシアンとノアがこっち。リアムは私とこっちの魔獣だ」
3人
「了解」
液晶に映る魔獣が印された円を指さしながらレティシアが指示をする。それからすぐに特別室から飛び出す