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Smile Bouquet

第27章 彼女の地雷




リアム
「レティシア…?」

レティシア
「おお、リアム」

リアム
「どうした?寝れねぇのか?」

レティシア
「嗚呼…さっき変な時間に寝ちまってな」

リアム
「…そうか」


借りた部屋に戻ろうとしたが、先程見た彼女の背中はどこか小さく見えてリアムはレティシアに近付き、彼女の隣にゆっくりと腰掛ける。

それに対してレティシアが何かを言うでもなく、ただ暗い空に輝く星を眺めていた。


レティシア
「私はこの子を物として扱った事は無い。…この子は幼い頃から私の傍に居てくれた、唯一の親友だ。私達の間に主従関係なんてない…家族なんだ。だが、意思疎通も出来ねぇんだから勝手に従わせている…そう思う奴もいる」


不意に投げられた言葉にリアムが隣へ視線を向けると、レティシアは気持ち良さそうに眠っているジルヴァを見詰めていた


レティシア
「皆、自分が体験してねぇ事は理解出来ねぇし…何でそういう思考になんのかも分かんねぇだろうな。私だって犯罪者の思考なんて分かんねぇし…自分の中の普通を基準にものを考えちまう。それと一緒で親から愛されなかった経験が無い奴は…私がジルを家族や親友というと理解出来ないと笑う」


ふぅ…っと息を吐き出したレティシアは続ける


レティシア
「それを分かってくれ、なんて言ったって伝わんねぇ。……ただ、知っていてほしい。そういう考え、そういう人がいる…知ってくれていれば、それで良いんだ…」


突然話された内容に最初は戸惑ったものの、日常生活からもレティシアがどれだけジルヴァを大事にしているかが分かる。が、言葉にされるとよりそれが如実に現れていた。


リアム
「レティシアがジルヴァをどれだけ大事にしてんのかは分かるし、俺は魔獣でも何でも…言葉が通じねぇ相手でも意思疎通は出来てると、レティシアとジルヴァを見てっとそう思う。…要は、んなちっちぇ理解力ねぇ奴は無視しとけ」


歯を見せて笑うリアムを見てレティシアは僅かに目を丸くする。だが、すぐに嬉しそうに表情を緩める



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