第27章 彼女の地雷
レティシア
「エドゥアルが使ってた部屋があるから、そこをリアムとノアで使ってくれ」
リアム
「お、おう」
ノア
「りょーかい」
レティシアはジルヴァをソファに乗せると、優しくブランケットをかけてあげる。
すると、オリヴィアから着信が入る
オリヴィア
『ちょっとー、皆だけでお泊まり狡いわよ』
レティシア
「仕方無いだろ。ここの方が近いんだから」
オリヴィア
『だったら、私とお花ちゃんも連れて行ってよ』
レティシア
「ったく、分かったよ」
電話を面倒そうに切ったレティシアがノアへ視線を向ける
レティシア
「悪ぃが、迎えに行ってくんねぇか?」
ノア
「ん、任せて。ぴゅっと行ってぴゅっと帰ってくる」
ノアはその言葉通り瞬間移動でオリヴィアとソフィアを連れて来た。特別室メンバーも初めて来たらしく、どこかわくわくしている
オリヴィア
「こんなに大きい一軒家が買えちゃうなんて…やっぱり司令補佐官ってお給料良いのね」
ルシアン
「まぁな」
オリヴィア
「そういえば、保護者くんはどこで寝るの?」
ルシアン
「自分の部屋」
リアム
「そっか、ルシアンさんも一緒に住んでたっすもんね」
ルシアン
「嗚呼」
レティシア
「オリヴィアとソフィアは私の部屋を使え」
ソフィア
「え、レティシア様の…」
オリヴィア
「お嬢はどうするのよ」
レティシア
「私はユリスの部屋を使う」
レティシアの言葉にオリヴィアは、ふーんっとどこか納得していないような返事をした。
会話を終わらせたレティシアは1人ユリスの部屋へ向かう
その部屋はまるで5年前で時が止まっているかのようだった。レティシアが定期的に魔法をかけてこの状態を保っている為、埃等は全くない
レティシア
「ユリス…」
ここに来るといつも泣きそうになってしまう。
まだユリスが生きている様な、そんな気分になる。
レティシア
「私は…少しでもユリスに近付いてんのかな…」
いつまでもいつまでも追い続けているユリスの背中。
今では自分の中にある彼の面影を追い続けて…少しずつでも近付きたいと、そう思っている。
あわよくば越えられたら…そう思うが、日々生きている中で彼に近付いている実感が全くない