第27章 彼女の地雷
レティシア
「良かったのか、あんな事を言っちまって」
ウェディー
「良いわよ。…研究なんてどこでも出来るから」
レティシア
「ま、安心しろ。んな事させねーから」
ウェディー
「ふふ、ありがとう」
レティシア
「いや、私こそ…連絡くれてありがとな」
ウェディー
「いいえ。私はジルちゃんが大好きだから…それに、彼等の言葉を聞けるのに何もしないのはね」
リアム
「え、彼等の言葉って…魔獣の言葉が聞けるんすか!?」
ウェディー
「あら、言ってなかったかしら」
リアム
「言ってないっすよ!」
彼女もレティシアとどこか似ているな…と、その良い加減さに苦笑が零れそうになる。
ウェディー
「はっきりと、では無いわ。でも、彼等の声が聞こえるのは確かよ。…ジルちゃんはレティシアと一緒に居る事を望んでる。ここに連れてこられた時…ずっとそう言って、泣いてたわ」
レティシア
「ジル…」
腕の中で眠るジルヴァを見てレティシアは切なそうにしながらも、優しく頭を撫でる
リアム
「そういえば…ルシアンさんがさっき言ってた、ここを1回壊されかけてる…ってのは?」
ルシアン
「あぁ…ユリスが生きてる時にもあいつ等ジルを攫ったんだ。人間の言う事を聞く大型魔獣は珍しいってな」
レティシア
「ジルヴァ?…ジル…どこ。…っ…!」
無理矢理、奪われたジルヴァを取り返す為にレティシアはユリスと研究所に訪れていた。
彼の姿を探して歩いていると…鎖に繋がれて大型化したジルヴァが暴れ困っている研究員の姿があった
レティシア
「ジル…っ…ジルヴァ!てめぇ等ジルに何しやがった!何したって聞いてんだよ、答えろよくそ野郎ども!!…くそっ…あの機械止めろ!」
研究員の胸倉を掴んで揺らすレティシアの強い瞳に研究員達は何も言葉を発せない
所長
「静かにしたまえ。実験の途ちゅ─」
レティシア
「ふざけた事抜かしてんな!!」
仕方なく魔法でガラスを割って暴れたままのジルヴァに近付く。