• テキストサイズ

Smile Bouquet

第26章 呪縛と秘密




リアム
「レティシア」

レティシア
「リアム?……丁度良い!着いてきてくれ!」

リアム
「はあ!?」


リアムの姿を捉えるなり嬉しそうにレティシアは逃げられない様に、彼の腕をガシッと掴む。そのまま理解出来ていないリアムを引き摺ってフォンテーヌへと脚を踏み入れた


執事の案内に従い歩いていると…綺麗な絵画や花瓶と、滅多に見られない光景にリアムは思わず視線を忙しなく動かしてしまう。そして、とある部屋の前に到着すると執事は扉をノックする


執事
「クラリス様」

クラリス
「お通しして」

執事
「畏まりました。…どうぞ、お入りください」


扉越しに聞こえたクラリスの言葉を受け取った執事に促されると、レティシアはドアノブに手を伸ばす。
だが、その手は微かに震えていて


リアム
「大丈夫だ、レティシア。…ぜってぇ傍に居る」


リアムからの言葉にレティシアは乱れかけた呼吸が落ち着き、震える手を一度ぎゅっと握ってから扉を開く



レティシア
「……っ…」

クラリス
「姉様…それに、えっと…リアム様」


パーティーの日、自己紹介をしていた為にクラリスは名を覚えていた。


レティシアは目の前の光景に僅かに目を丸くして、固まっていた。
そこには大きなベッドに寝転がりいくつもの管に繋がれた、幼い記憶を恐ろしく支配している母親の姿があった。
弱々しくベッドに寝ている姿はレティシアが想像もしなかったもので、僅かたじろいでしまう


クラリス
「姉様…あのね、今から私はとても都合が良い事を言ってしまうと思うのだけど…聞いてもらえる?」

レティシア
「……何?」


何となく予想ができる話。だが、レティシアの気持ちを考えながらのクラリスからの言葉にレティシアは首を傾げ、続きを促していた。
クラリスは姉の言葉に小さく息を吐き出してから言葉を紡ごうと唇を開く



/ 398ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp