第26章 呪縛と秘密
ルシアン
「リアム!」
リアム
「おわっ」
その隙にレティシアが背に乗ろうとしたが、すぐに振り向いた魔獣は蹴られた後ろ脚でリアムを襲おうとする。
だが、ルシアンの声に反応できたおかげでリアムは怪我をせずに済んだ
レティシア
「フィピテオ」
ルシアン
「よし…行くぞ」
リアム
「はい…!」
レティシアが出した縄をルシアンとリアムが持ち一気に近付くと、レティシアは2人を信じて突っ込む。
ルシアン
「お…らっ…!」
リアム
「よっ…!」
熊魔獣
「グオォッ!」
両後ろ脚に巻き付けられて引かれる縄によって魔獣の意識は逸れ、レティシアはそのまま飛び上がり魔獣の額に飛び乗る。
そして、太腿に刺してあった注射器を取り思い切り額へ刺す
大人しくなった魔獣の額から降りると、レティシアは魔獣を見上げる
レティシア
「ここは2階だぞ。羽もついてねぇのに何で」
ルシアン
「誰かが態と…?」
リアム
「ど、どうやって?」
レティシア
「フォンテーヌだからな。……こないだの事を考えると…」
ルシアン
「エドゥアル…か?」
多分、と呟いてからレティシアは魔獣に触れる
レティシア
「ここに居たら危ないからな。…フィピテオ」
レティシアが呪文を唱えると魔獣の身体は光に包まれて次には姿が消えていた。彼女が森の奥へと帰したのだ。
その日はレティシアとフェリックスが窓ガラスをしっかり元通りにして、内装は業者に任せる事にして…その場はお開きとなった
─翌日…
レティシアはフォンテーヌの屋敷を見上げながら大きな溜め息を吐き出した。
何故、自分が呼び出されたのか…理解が出来ないのと同時に屋敷に入りたくない気持ちでいっぱいになる。
連絡をしてきたのはクラリスだったが、恐らく呼び出したのは母親だろうと予想がつくからこそ…行きたくないのだ
リアム
「レティシア?」
任務帰りに見付けたのはフォンテーヌの屋敷を見上げているレティシアの姿だった。脚元にはいつも居るジルヴァの姿も無く、リアムは不思議に思う。
だが、何故か放っておいてはいけないような気がしたリアムはレティシアに声を掛けようと近付く