第26章 呪縛と秘密
「姉様…?」
白いリボンでハーフアップにされたお尻までのレティシアと同じ金の髪は、毛先を緩く巻かれており…丸く猫目の姉とは違い垂れた目の中では、紫の瞳が揺れていた。
レティシア
「クラリス…」
いつか彼女に見付かる、そう思っていたのにいざ見付かってしまうとレティシアは驚いてしまう。
だが、女性で初めてフォンテーヌ家の次期当主として挨拶をし注目の的である彼女の呼び掛けに、周りの人が反応する。
裕福男性
「姉様?……という事は、もしかして彼女はレティシア様…?」
裕福女性
「ま、まさかっ…だって彼女は身体が弱いからずっとお屋敷にいらっしゃる筈でしょう?」
裕福女性
「でも…良く見たら似てますわね…?」
─パリンッ
ドレイク
「おおっと、すまんすまん。手が滑ってしまった」
その場にグラスが割れる音がすれば、依頼主であったドレイク·デイサンの姿があった。レティシア達がその行動が態とであるのを理解すると、レティシアはクラリスの手を取り…ルシアン達とその場を静かに去る。
ホールの隣にある部屋にレティシア達は入り込む。
ルシアンとリアムは2人で話す事もあるだろうと…少し離れた場所に立つ
最初は驚いていたクラリスだったが、すぐに目の前にいる姉を見詰め
クラリス
「やっぱり姉様だったのね!…やっと会えた」
レティシア
「大きくなった…わね、クラリス」
口に馴染んでいない口調で言葉を吐き出すのはレティシアにとっては違和感でしか無く、少しだけ詰まってしまう。
だが、クラリスは姉に会えた事が嬉しいのと同時に…まるで幼い子供に述べる様な姉の言葉に口元へ軽く手を添えて笑む
クラリス
「ふふ、もう24だもの…大きくなっていて当然よ?……ずっと心配していたの」
レティシア
「…ありがとう」
クラリス
「姉様、今どこで何をしているの?」
レティシア
「守護官、やってるわ」
クラリス
「守護官?…わぁ、格好良いわ」
妹の問いに答えようか悩んだものの、隠す事でも無いため素直に口にすると予想外にも弾んだ声が返ってきて、レティシアは少しだけ安心する。
だが、次には少しだけクラリスは表情を暗くする