第26章 呪縛と秘密
レティシア
「彼女はウェディー·ベルナール。私達が使ってる大型魔獣を鎮める薬を作った優秀だが変態なのが残念な研究員だ」
ウェディー
「ちょっと!変な紹介しないでよ!」
レティシア
「で、彼がリアム·ランベールだ」
ウェディーの抗議を無視してリアムを紹介するレティシアに彼女は、もう…と小さく吐き出してからリアムへ手を差し出す
リアム
「宜しくお願いします」
藍色の顎先までのボブの内側から伸びる髪は腰まであり、僅かに猫目の中ではスカイブルーの瞳が揺れ…それを覆う丸眼鏡の姿は勝手ながら真面目な印象を持ってしまうリアムは…外見と発言に若干戸惑いつつも差し出された手に自分の手を重ねて握手をした。
レティシア
「ちなみに、人より耳が良い」
リアム
「耳?」
ウェディー
「ええ。貴方達が聞こえない音が聞こえたりするの」
リアム
「へぇ…すげぇすね」
ウェディー
「んふ、そうでも無いのよ?…まぁ、時々は役に立つけどね」
レティシア
「そろそろ帰るぞ」
ウェディー
「え!もお帰っちゃうの!?来たばかりじゃない!」
レティシア
「この場所はあんまり好きじゃねぇんだ」
ウェディー
「もー、分かったわよ。じゃあ、またね」
拗ねた様に唇を尖らせたウェディーだったが、仕方なく見送る事にし…去って行くレティシア達の背中に手を振った。
その後、レティシア達はパーティー用の服を購入し特別室へと帰った
レティシア
「あ゙ぁー…動きたくねぇ…」
その日、レティシアは鉛のように重い身体をベッドから持ち上げる事が出来ないでいた。
億劫とは今の彼女の為にあるような言葉だ。
ジルヴァ
「うにゃ…!」
レティシア
「うぅ…嫌だ…動きたくない…ジルもこのまま一緒に寝よう」
布団を被って寝転がったまま動かないレティシアを起こそうとジルヴァが彼女の上に飛び乗る。だが、レティシアはジルヴァの身体を、ぎゅうっと抱き込んで布団へと入れる。
レティシアの腕の中でジルヴァがもがくものの、レティシアは再び眠りにつこうと瞼を閉じる