第26章 呪縛と秘密
レティシア
「ジルのサプリ貰いに行くの忘れてた」
リアム
「サプリ?」
レティシア
「嗚呼。食べ物で補えてねぇもんのサプリを作ってもらってんだ」
パーティーに着ていく為の服をついでに見れば良いという事と世話になっている研究員に会わせる、とリアムもついて行く事になった。
車を数十分、走らせた所にある大きく立派な研究所。
レティシアはここにジルヴァを連れてきたく無いらしく、ノアが見ている。
シュンっと音を立てて横に扉が開くと、研究室らしい白を基調とした空間。
リアムがキョロキョロしていると後ろから腕が伸びてきて、彼の首に絡まる
リアム
「おわ…っ…なん…!?」
「ふーん…貴方が新しい守護官くん?」
リアム
「え、えっと…?」
艶っぽい声が耳元で響き、リアムは戸惑う
「あら、緊張してるの?かーわい…診察したくなっちゃう…」
そう囁くとリアムの首から胸板を、つーっと撫でていく。
突然の行動にどうしたら良いのか分からなくてリアムが戸惑っていると突然、彼女の身体が離れた
レティシア
「こら、ウェディー。うちの守護官を口説くな」
ウェディーと呼ばれた女性はレティシアに首根っこを掴まれ、強制的にリアムから離れさせられていた。
リアムは助かったとこっそり息を吐き出した
ウェディー
「あーんもう!また私の邪魔して!あ、分かった。…ヤキモチね?」
レティシア
「誰がだ、全く」
ウェディー
「もー可愛いんだから。分かってるわよ、貴女が一番♡」
レティシア
「五月蝿いな!」
珍しくレティシアが他人のペースに巻き込まれているのを見て、リアムは2人を交互に見てしまう。だが、暫く黙っていたルシアンが口を開く
ルシアン
「ウェディー、そこまでにしろ」
ウェディー
「ちぇ…はぁい。サプリでしょ?」
レティシア
「嗚呼」
ウェディー
「はい、どーぞ」
にこにこと笑顔を浮かべながらレティシアが出した手に、ウェディーはサプリが入った袋を乗せる。
それからリアムに彼女を紹介しようと身体の向きを変える