第24章 新任務
─カツン…
レティシア、ルシアン
「……っ!?」
小さな靴音がしてレティシアとルシアンは身を寄せて気配を探る。どう考えてもノアとリアムの気配ではなく…ジルヴァも2人の脚元で唸っている
「中々、来ないから僕から会いに来たよ。…久し振り」
レティシア
「…エドゥアル…!?」
ルシアン
「なっ…」
探しても探しても見付けられなかったエドゥアルの姿にレティシア達は戸惑うものの、ルシアンは彼女を背中で庇うように前へ出る。
長い白髪を揺らしながら優雅に歩いてくるエドゥアルを見て身構えると、エドゥアルは切れ長の目を細め…どこか寂しげに笑む。
エドゥアル
「お前達は相変わらず一緒に居るんだな」
ルシアン
「当たり前だろ」
エドゥアル
「当たり前…か。ルシアンは体格良くなったし格好良くなったね」
ルシアン
「……五月蝿い」
エドゥアル
「酷いな」
久し振りに会ったが裏切り者だと言うのに、懐かしむ様に言葉をかけてくるエドゥアルにルシアンは戸惑う。
レティシアは彼が憎いのに、呪いをかけられた事が頭にこびりついて離れていなかった…ずっと。少なからずエドゥアルに恐怖を覚えているのだろう。
ユリスに罪をなすり付けた事、何の相談も無くゼフィランサスを辞めた事、レティシアに呪いをかけた事…エドゥアルは数々の裏切りを彼等にしてきた
エドゥアル
「レティシアは…綺麗になったね」
レティシア
「………」
エドゥアル
「流石はフォンテーヌの血を引いてるな」
レティシア
「五月蝿い。…私はフォンテーヌじゃねぇ」
エドゥアル
「はは、悪い。…ところで僕からのプレゼントの調子はどうだい?」
サファイアブルーの瞳がレティシアの左腕を覆っているサポーターを捉えた。それに気が付いたレティシアは思わずサポーターに触れる
レティシア
「ふざけ─」
ルシアン
「何がプレゼントだ。レティシアがこれにどんだけ苦しんでるか知らないだろ」
レティシアが言い返そうとした言葉をルシアンが遮り、エドゥアルを睨んだまま告げる。
2人の脚元にいるジルヴァも、あの日…レティシアが倒れた日の事を覚えているのか彼女の前へ出て、ルシアンに並び威嚇する