第23章 食い違いの悲劇
初めてだというメルに色々と教える気満々の太客は、自身の下半身を覆う衣服を全て脱ぎ捨て…自身の昂りをメルへ咥える様に促した。
初めての行為に彼女が表情を歪めると、それが気に入らなかったのか太客はメルの金の髪を掴みあげた
メル
「痛っ…!」
客
「ちゃんとやれや。…お前の仕事だろ?」
メル
「やりたくて、やってるわけじゃねぇ…」
客
「あぁ゙?んだその言葉は!です、もつけれないのか?」
教える様に分かりやすくそんな言葉を零す。
メルは何を…どこに、ですをつけるのか理解出来なくて黙る。
そんなメルを気にする事無く客は無理矢理、彼女の口へ昂りを咥えさせたが…身体に繋がっているのなら痛覚もあるんだろう、とメルは咥内へあるそれに歯を立てる。
すると客は目を丸くしてメルの脇腹を蹴る。
それに彼女は何度も噎せるも口元には笑みが浮かんでいた
客
「くそが…ふざけんな!」
メル
「うるせぇです」
そこから彼女の不思議な敬語は出来上がったのだ。
彼等はお互いが連絡を取れるようにしていた。
そして、4人は廃工場へと集まり…今の自分達の日常を共有し…絶望した。
皆…幸せになっていない、なれていない…と。
でも、どうする事が正しいのか分からない彼等は時々集まる…そうする事しか出来なかった。
だが、彼等の中で大きな変化が起きた。
それは…行き過ぎた虐待の末にフレリアが……命を奪われてしまったのだ。
その出来事に怒り胸を痛めたが、彼等は自分達も命をこのままでは奪われてしまうのでは、そう考え…助けを求めなくてはと思った。
綺麗な衣服に身を包んでいる貴族であれば助けてくれるのでは…そうして街ゆく貴族に声を掛けるが、鼻で笑われるか罵倒されて終わり。
リオン
「貴族なんて…服が綺麗なだけで優しくも何ともねぇじゃねーか」
メル
「………」
リオンの言葉に反応する様に差し出された手袋に包まれた手。
3人が顔を上げると綺麗なドレスに身を包んだ…貴族だった。
貴族の娘
「私が貴方がたの力になります」
喜び…安心し3人は彼女の屋敷で暮らす事になった。
だが、その生活も長くは続かなかった。