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Smile Bouquet

第23章 食い違いの悲劇




ヴィム
「俺はヴィムと言います。レティシアさん、ルシアンさん、ノアさん、リアムさん…そして、オリヴィア姉さん」

オリヴィア
「…………」

レティシア
「ご丁寧に名前まで調べたのか」

ヴィム
「ええ、勿論。…そして、こっちがメル」


ヴィムは切れ長の目の中で青い瞳を揺らして隣に居る、小柄な彼女を見る


メル
「ふふっ」


メルは垂れた目を更に垂らして笑みつつも、その緑の瞳にはオリヴィアしか写っていなかった。
腰まで伸びるウェーブがかった金の髪を揺らして愛らしく首を傾げる


メル
「やっぱりオリヴィア姉さんって幸せそうだなぁ…今だって仲間の奴等さんに守られちゃって…あァ、憎いです!」


急に上がったテンションに特別室メンバーは驚く。
オリヴィアも驚いているという事は恐らく昔はそうじゃなかったんだろうと理解する。


ヴィム
「メル落ち着いて。…話をする為に呼んだんだろ」

メル
「でも、メル達はだァれにも守ってもらえなかったのに…オリヴィア姉さんだけあの強そうな奴等さんに囲まれて、守ってもらっててずりぃです!」


誰にも、その言葉にオリヴィアは疑問を抱く。
オリヴィアはゆっくりとレティシアとルシアンの間から1歩前に踏み出すと口を開く


オリヴィア
「誰にも…守ってもらえなかった…って?」


彼女の言葉にメルは瞳を憎しみに濁らせて懐からナイフを取り出すもののヴィムに腕を掴んで止められる


メル
「離せです!」

ヴィム
「落ち着け、メル」


悔しそうにしながらも彼に逆らう気は無いようで大人しくナイフを懐へとしまう。それを確認したヴィムはレティシア達へ視線をやり分かりやすく愛想笑いを浮かべる


ヴィム
「せっかく久し振りに会えたんだから、少し話をしようオリヴィア姉さん…そして、特別室の皆様」


ヴィムは置かれているソファへと視線を向け特別室メンバーに座る様、促す。

上は23、下は15程と様々な年齢の男女が集まっている。
そんな彼等に監視するように囲まれながらも特別室メンバーはソファに腰掛けた。
リオンはジルヴァに触れた事で落ち着いているのもあるが…二度もレティシアの魔法を見た。彼も馬鹿では無い、ここのメンバーに1人では敵わない事を悟り大人しくしている



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