第23章 食い違いの悲劇
レティシア
「オリヴィアとソフィアはいつも通りここで─」
オリヴィア
「私も連れて行って」
リアム
「オリヴィアさん…?」
普段は特別室で待機をしているのが当たり前であるオリヴィアの言葉にリアムは目を丸くする。
だが、オリヴィアは拳を握り…グレーの瞳をレティシアから逸らさずに続ける
オリヴィア
「私はお嬢達みたいに強くないわ。それでも…私は行かなきゃいけない気がするの。足手まといになる事は分かってる…自分勝手なのも分かってる。でも…行きたいの、お願い…お嬢」
彼女の真剣な眼差しと根拠は無いが、そう思う気持ち…それが理解出来るレティシアは、ふっと表情を柔らかくして
レティシア
「大丈夫だ、オリヴィア。あんたは私が絶対に守ってやる。安心しな」
オリヴィア
「…っ…!ありがとう…っ」
心底嬉しそうに表情を綻ばせたオリヴィアだったが、すぐにルシアン達へも視線を向け
オリヴィア
「皆も…良いかしら」
ルシアン
「うちの指揮官が許可出したんだ。当然、良いに決まってる」
リアム
「勿論す!」
ノア
「オリヴィアさんがいるなら少しくらい怪我しても安心だね」
彼等の言葉にオリヴィアはしっかりとお礼を述べる。
ソフィアはそんな彼等を見て、安堵してからモニターへ視線を向ける
レティシア
「ソフィア」
ソフィア
「あ、はい…っ」
レティシア
「リオンって奴のとこ開けてくれるか」
ソフィア
「えっ…どうして、ですか?」
レティシア
「奴も連れて行く」
オリヴィア
「…っ…お嬢?」
牢獄は基本的にはパソコンから解錠する事が多い。
だが、自分一人の時はパソコンから解錠すると逃げられる恐れがある為、鍵を持っていく。
全員が何故リオンを連れて行くのか理解出来なくて戸惑いの色を見せる
レティシア
「会話をしに行くなら仲間外れにしたら可哀想だろ?」
本当にそう思っているのか分からない様な笑みを浮かべるレティシアに疑問があり、オリヴィアは問おうとするもルシアンが口を開く
ルシアン
「…向こうで互いの話をするのなら、奴にも聞かせるって事だろ」
レティシア
「流石ルシアン」
彼の言葉に、成程…と全員が思うしか無かった。
ソフィアも理解すれば牢獄についたら開ける事で決まった