第23章 食い違いの悲劇
リアム
「な、何で特別室の事も…特別室にオリヴィアさんがいる事も知ってんだ…?」
レティシア
「恐らく…あのリオンって奴だろ」
オリヴィア
「え…?」
ルシアン
「盗聴器…か」
ノア
「盗聴って…じゃ、彼はここにオリヴィアさんがいる事を確認する為だけに捕まる覚悟で来たって事?」
オリヴィア
「いえ…盗聴が出来れば良いだけなら捕まる必要は無いわ。色々、質問すれば分かるでしょう?」
リアム
「確かに…」
オリヴィア
「それに、リオンは昔から頭に血が上りやすくて喧嘩っ早いの。だから多分…向こうで何かあったんじゃないかしら。例えば…」
レティシア
「オリヴィアがヒガンバナ基地に居るかもしれない」
オリヴィア
「ええ、多分…それだと思うわ」
ルシアン
「で、突っ走って来たってわけか」
オリヴィアがルシアンの言葉に頷く。
だが、リアムの最初の疑問である"何で特別室の事"を知っているのか…それを再び問おうとしたが、それよりも先にレティシアが口を開いた
レティシア
「成程…馬鹿では無い理由は、音声を聞いてオリヴィアがヒガンバナに居るのが確定した。だから、オリヴィアの所属を特定する事が出来た」
ソフィア
「…ハッキング、が…出来る方が…いる、という事ですか?」
レティシア
「嗚呼。…誰か思い当たる奴はいるか?」
彼女の問い掛けにオリヴィアは首を横に振る。
だが、それに目を付ける人物なら知っている
オリヴィア
「ただ…一人、冷静で頭が良い子がいるわ。彼が機械に詳しいかは分からないけど…多分、私がここに居るのも特別室を特定出来たのも…彼の指示だと思うの」
成程、とレティシアは腕を組んで画面を見詰める。
ルシアンは小さく息を吐き出してからレティシアへ視線を向けた
ルシアン
「で、どうすんだ。その誘い受けるのか?」
レティシア
「……奴等を捕まえる絶好のチャンスだろ」
ルシアン
「嗚呼。…そうだよな」
レティシアとルシアンのやり取りを聞いていたリアムとノアも強く頷いて、やる気は充分だ。