第23章 食い違いの悲劇
オリヴィア
「お嬢ごめんね。本当はあんな事思ってないわ」
先程の事を謝罪をする。
自分の中でモヤモヤとする感情を残したく無かったのもそうだが、確実に彼女を傷付けてしまった自覚があるから…そうせずにはいられなかった。
レティシア
「あんな事って何の事だ」
だが、レティシアから返ってきた言葉はオリヴィアが予想していたようなものではなくて驚いてしまう
オリヴィア
「さっき…私が言った…」
レティシア
「私が忘れっぽいのオリヴィアも知ってるだろ。何の事やら」
その言葉にオリヴィアは何度も瞬きをするものの…実に彼女らしい返し方で救われた心地がしたのと同時に頬が緩んでいた
オリヴィア
「まったく、貴女って人は…」
レティシア
「何だよ」
オリヴィア
「ふふ…いいえ別に?レティシアのそういうとこ嫌いじゃないわ」
レティシア
「知ってる」
いつの間にか普段通りの空気に戻った特別室。
そして、密かに見守っていたルシアン達は2人のやり取りを見て柔らかくも…安心した様な笑みを浮かべていた。
その後、レティシアが買ってくるようにノアにお願いしたケーキを全員で食べたが…これは以前オリヴィアが食べたいと密かに目を付けていた店の物だった。
恐らくそれをレティシアは知っていてノアに頼んだのだろう、とオリヴィアは分かり…またそれに嬉しくなる。
─ピピッ
届いたそれが任務だと思ってレティシアは確認したが、予想外の内容に思わず目を丸くする。
それを疑問に思ったルシアンが彼女へ声を掛ける
ルシアン
「どうした?」
レティシア
「…真夜中の狂団から招待状だ」
全員
「……っ…!?」
レティシア
「見てくれ」
レティシアが大画面へそれを映し出す。
すると、そこには…
『特別室の皆様へ。
先程は我々の家族が失礼致しました。
我々はそちらにいらっしゃるオリヴィア様に
お会いしたいと思っております。
特別室の皆様が同行する事も歓迎致します』
読み終えたリアムは戸惑いに視線を揺らしてから口を開く