第23章 食い違いの悲劇
ソフィアの端末へその映像が届いたらしく、全員が画面へ目を向けるのを確認したソフィアは映像を再生した
リアム
「この人…」
被害者の生前の姿が映像に映ればリアムは思わず声を漏らす。
この人はこの後…そう思うと続きが見たくない様な気分になったが、ここで目を逸らしたら駄目だと自身に喝を入れる
すると、後ろから何者かが近付くが暗くて姿は確認出来ない…その人物は躊躇いもなく刃を振り下ろす
レティシア
「何か話しているな…ソフィア、音量上げれるか」
ソフィア
「分かりま、した」
高価品を身に纏った婦人
『な、何なのよ…っ…私が何したって言うの…!』
『テメェさんはしてねぇかもだけど…種類は一緒です』
高価品を身に纏った婦人
『嫌っ……あぁっ!』
『アハハ!痛てぇですか?』
オリヴィア
「……っ……」
レティシア
「………」
リアム
「狂ってる…」
ノア
「酷…」
甘ったるくも狂気的な声と行動に全員が表情を歪めたが…レティシアは1人だけ驚いた様な、それでいてショックを受けた様な表情を浮かべているオリヴィアへ視線をやる
レティシア
「知り合いか?」
オリヴィア
「……っえ…?」
息をするのも忘れた様に既に停止されている映像を見たまま固まっていたオリヴィアはレティシアの声に反応する。
レティシアの言葉に全員の視線がオリヴィアへ集まる
オリヴィア
「ええ。実は─…」
─ビーッ ビーッ
アナウンス
『緊急事態発生。緊急事態発生。施設内ロビーにてナイフを持った男が一人、攻撃を開始。職員二名が負傷。至急手が空いている実働隊はロビーに訪れている市民の避難誘導へ。繰り返す…』
そのアナウンスを受けたソフィアがロビーの様子をモニターに映す
オリヴィア
「……っ…!」
レティシア
「オリヴィア!」
危害を加えたという男が映し出された瞬間オリヴィアは慌てて特別室を出て行く。それを追いかけようとレティシアは出口へ向かったが振り返り
レティシア
「全員待機!」
それを残してレティシアは特別室を出て行く。
待機命令を受けたリアム達は追いかけようとしていたが、息を吐き出して椅子へと腰を下ろしモニターへ視線を向ける