第22章 貴方の面影をなぞって
リアム
「これっ…訓練の範疇超えてるだろ…!」
ノア
「規格外同士の訓練だし…しょうがないんじゃない…っ」
ルシアン
「ジル、大丈夫か?」
ジルヴァ
「にゃ…!」
オリヴィア
「…っ…凄いわね…」
ソフィア
「……っ…」
徐々に黒い光が白い光を押していくのが分かる。
メディ
「レティシア…君はまだ伸びる。今の君なら大丈夫だ」
だが、メディの呟きはレティシアには届かない。
メディがぐっと力を込めると更に力が強まり、それに耐えられなくなったレティシアが思い切り吹っ飛ばされる。
訓練生
「うわっ…!」
弾けた光が強い風となり物を飛ばし訓練生や特別室メンバーに襲い掛かるが、ノアとオリヴィア…アレクシとサーラが間一髪で呪文を唱えた事によって彼等は強固なドームの中に居た。
メディ
「クラーディ」
メディの呪文で強風は止んだ。
ジルヴァ
「にゃっ…!」
首を振ったジルヴァはルシアンの腕から抜けると慌てて壁に強くぶつかり、床で気を失って倒れているレティシアに駆け寄る。
それに反応するように特別室メンバーも彼女へ駆け寄り、ルシアンが優しく抱き上げる
リアム
「レティシアは…」
ルシアン
「気を失っているだけだ、大丈夫。オリヴィア」
オリヴィア
「ええ。…フラウフィ」
オリヴィアの呪文でレティシアに出来た傷はゆっくりと消えていき、心做しか表情も和らいだように見える。
そこへメディがゆっくり近付いてきて彼女の様子を確認する
メディ
「すまない。思わず熱くなってしまった」
ルシアン
「いえ。その、何と言うか…ありがとうございます」
メディ
「え?」
ルシアン
「俺じゃ…こいつにあんな事を言ってやれません。魔法が使えて昔から知っている司令の言葉だからこそ…レティシアは本気になれたし、気付けたと思います」
メディ
「……ありがとう。そう言ってもらえて良かったよ」
気絶するレティシアを見ながら優しく告げられるルシアンの言葉にメディは、安堵した笑みを浮かべる。
本当はメディもここまでするつもりではなかった。
自分が思っていたよりも彼女の思いは固く…気が付けば、こうなっていた。
だが、深く言葉を交わせた事にメディは後悔はなかった