第22章 貴方の面影をなぞって
特別室メンバーの元へ戻れば皆が「お疲れ」と言葉をリアムにかけた。
ルシアン
「次はレティシアだな」
ノア
「とうとうだね!」
レティシア
「よし、いっちょやってやるか」
待ってましたとばかりに椅子から立ち上がったレティシアは楽しそうに腕を伸ばしたり、首を回したりと気合が入っている。
だが、釘を刺すようにルシアンがレティシアに声を投げる
ルシアン
「おい、手加減しろよ?」
レティシア
「任せろ」
分かってる、とでもいう様に笑うレティシアにルシアン達は嫌な予感しかしない。
レティシア
「おっし、私は何人でも良いぞ」
サーラ
「それなら2人でどうかしら?」
レティシア
「おう!」
レティシアと訓練生2人が中央に寄る
訓練生
「宜しくお願いしますっ」
レティシア
「宜しく」
サーラ
「始め!」
その声と共にレティシアは軽く身をかがめ思い切り回し蹴りをすると、2人が同時に飛ばされ…まさに瞬殺だった。
だが、当の本人は不思議そうに首を傾げる
レティシア
「あれ…おかしいな、そんな力込めてねぇけど…」
ルシアン
「だーから言ったんだ。手加減しろと」
レティシア
「したっつーの!」
ルシアンの呆れた様な言葉にレティシアは慌てて誤解を解こうとする。
訓練生はというと回し蹴り1回で飛ばされてしまった仲間に驚きつつも、指揮官を任されるだけの実力が彼女に備わっているのだと理解する。
訓練生
(あんなに強い人達を纏めてる人だもんな…そりゃ強くて当たり前か)
レティシア
「次は大丈夫だ!良し、こい!」
未だにやる気満々のレティシアにルシアンは呆れ、リアムとオリヴィアは苦笑した
ノア
「張り切ってる姫さんも可愛いなぁ…」
ソフィア
「綺麗な、回し蹴り…でしたね…!」
ノアは見惚れソフィアは両拳を握り目を輝かせていた。
それからまた2人別の訓練生がレティシアの前に立つ
訓練生
「お願いします!」
レティシア
「おう!」
サーラ
「始め!」
レティシアに向かった1人を素早く避けるとそのまま腹部に1発拳を打ち込み、背後から迫った1人の腹部には脚が食い込んだ。
訓練生は声も無く床に突っ伏し、レティシアはまた首を傾げる