第19章 束の間の休息
リアム
「どう張り合ってたんすか?」
ノア
「同じ格好したりしてたよ。大きくなったら自分の方が凄いんだぞ!って言ってるみてぇだった」
オリヴィア
「あぁ、確かにそう言ってるみたいだったわ」
ソフィア
「可愛かった、です」
思い出して笑う3人を見ているだけで不思議とその光景が想像出来てしまうリアムは、肩を小さく揺らして笑う。
その後は各々、自由な時間を過ごした。
リアム
「すげぇ…」
食事の時間になり呼ばれた先に向かうと沢山の綺麗な食事が並んでいた。一食一食が自分を食べてくれと主張している様で見ているだけで食欲が湧く。
レティシア
「腹減ったなぁ…」
腹部を擦りながらレティシアが食事の方へ歩いて行くのに倣ってついて行き一人一人、自分が食べたい物を皿に盛って行く。
全員が椅子に座った事により食事が始まる
ノア
「んっ…姫さんこれ取った?すげぇ美味いよ」
レティシア
「取ってないな…次とってくる」
ノア
「オレの食べてみなよ」
レティシアの右隣に腰掛けているノアが彼女の口元に銀のフォークの上に乗った、照明に照らされてキラキラと光るソースを纏ったヒレ肉を寄せると、パクリとレティシアはそれを口に含む。
レティシア
「ん!次これ取ろう」
リアムはこの光景にも慣れた。
最初見た時は正直、驚いた…それに恋心を認めてからはちょっとモヤッとする事もあったが、こんな事を気にしても仕方ないと慣れたのだ。
レティシア
「ここは良いな」
ルシアン
「ジルが一緒に入れるからか?」
レティシア
「流石」
オリヴィア
「最近は増えてきたわよね、小型魔獣が一緒に入れるお店」
レティシアが、うんうんと嬉しそうに頷く。
普段は食が細いソフィアも雰囲気から食欲が増しているのか良く食べている。
他愛ない会話をしながらも食事のおかわりしてを繰り返している内に、オリヴィアとソフィア、ノアが満足してデザートを取りに行った。
ルシアン
「おい…腹壊すぞ」
その内ルシアンとリアムもおかわりに立つのを止め、リアムはケーキを食べていた。
ルシアンはコーヒーを飲みながら未だ、美味しそうに食べ物を頬張るレティシアを見て呆れたように呟く