第17章 醜い真実
リアム
「こんな最新型の物なんかくれるんだな」
ソフィア
「凄いです、ね…でも、特別室…には、あまり…必要ない気もします」
リアム
「あー…まぁ、確かに」
ノア
「姫さん。元気になったみたいで良かった。ルシアンくんのおかげかな」
ジルヴァの写真を撮り終えたレティシアと隣に腰かけたルシアンが、ソファの上でジルヴァと遊んでいる姿を見ながらノアが嬉しそうに微笑む。
すると、食事券を見ていたオリヴィアがノア達の会話に交ざる
オリヴィア
「全く、本当にお嬢の事しか考えてないのね」
ノア
「仕方ないっすよ、あんな逞しい守り方してくれる女の子…初めてっすから」
リアム
「守り方?」
ノア
「あぁ、そういえば話してなかったね。オレ─」
─ガチャ
フェリックス
「失礼。……元気になったようだな」
ノアの言葉はフェリックスの訪問によって遮られた。
彼は入ってくるなりソファの上で笑うレティシアを見てそう吐き出した。
だが、レティシアは特に会話をする気が無いのかルシアンの指にじゃれていたジルヴァを抱き上げ、自分の膝に乗せる
リアム
「あの人って確か…」
オリヴィア
「左側を守ってるアイリス基地の指揮官でシュヴァリエ家、現当主のフェリックス·シュヴァリエよ」
リアム
「やっぱり…見た事あると思った。…本当に所属してるんすね」
同じ組織に所属してるとはいえ、左右で分かれていると完璧に把握する事は難しい。
そして、厄介なのが時々…左右で目的は守る事と同じなのに敵対する者達も居る。
守護所勤務であれば会えなくて当然の人物が目の前に居る事にリアムは驚きつつも、噂に近かった"シュヴァリエ家の当主が任務実行基地の指揮官をやっている"…というのが噂ではない事実に遭遇した。
フェリックスといえば魔力もあり実力もある…それなのに何故、彼は任務実行基地に居るのだろうか…そもそも何故、守護官をしているのか…とリアムは疑問に思う。
本当であればレティシアだって疑問だ。
だが、彼女はフォンテーヌ家を出ていて継いでいないから此処に居てもおかしくはないし、そもそも理由も知っている