第17章 醜い真実
そして、リアムはあの日…胸の内にしまった疑問を思い出し口にする
リアム
「そういえば、ノアさん久し振りって言われてましたよね?」
ノア
「あぁ…オレ元々はルビー所属じゃなくて左側のアクアマリンに所属してたんだ。…んで、アイリス基地では指揮官補佐 兼 指揮官代理でルシアンくんと同じ役職だったから、フェリックスさんはオレの上司なんだ」
リアム
「へぇ…最初からルビーだと思ってました」
初めて聞くそれにリアムは僅かに目を丸くして驚いた。
それと同時にやっぱり彼は優秀なんだと理解する。
レティシア
「で?何の用だ」
漸く会話をする気になったレティシアが口を開く。会話をしなければ帰らないと判断したからだ。
ジルヴァが撃たれた日の事はレティシアも感謝をしているが、基本的にはあまり会話をしようとは思っていない。
ただ、指揮官ともなれば他の者と比べると左右の関わりは多い方で、必然的に顔を合わせるタイミングは増える。
初めてフェリックスに会った時はレティシアも流石に驚いたが今では慣れたようで。
フェリックス
「心配だったから見に来ただけだ」
レティシア
「それは忙しいのに、わざわざどーも」
皮肉るように言葉を吐き出したもののフェリックスには効いておらず何故か、ふっと笑んだためレティシアは気味悪そうに顔を歪める。
そんなやり取りを見ながらもリアムはまた声を潜めながらノアへ問い掛ける
リアム
「ノアさんは何がきっかけでこっちに来たんですか?」
ノア
「きっかけか…結構、単純だけど聞いてくれる?」
リアムは首を傾げるノアを見て頷く。
フェリックスとノアの間に流れる空気に険悪なものはなく、どちらかといえば互いに信頼している様にもリアムは感じたため…辞めさせられたのではなく、彼は自らの意思でここに来たのだろうと、勝手に推理する。