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Smile Bouquet

第16章 正体




ノア
「あれは…!」


サイレンを鳴らしているおかげでスムーズに2人が現場に到着すると、そこには女性の首を片手で掴み持ち上げている人獣が居た。


レティシア
「ノア!」

ノア
「分かった!」


名を呼んだだけでレティシアのやろうとしている事をノアは理解した。
それと同時に2人はスピードを上げて女性と人獣に向かっていく。



─ドガッ



人獣
「グァ…!」


レティシアが持ち上げたバイクの前輪を人獣の身体にのめり込ませ、人獣がよろけ手の力が緩んだ隙にノアが女性の身体を片腕で抱きその場を離れる



レティシア
「ジル、降りろ!」

ジルヴァ
「にゃう!」


一瞬、勢いによろめいたものの直ぐにその衝撃に耐えて前輪を人獣が掴む。
ジルヴァは叫ばれたそれに返事をしてバイクから飛び降り、レティシアが続く様に降りる。
人獣は前輪を片手で掴んだまま彼女が乗っていたバイクを飛ばす


レティシア
「とんだ馬鹿力だな」

ノア
「姫さんっ」

レティシア
「被害者は?」

ノア
「大丈夫。今はショックで気を失ってるけど大きな怪我も無かった」


ノアの言葉にレティシアは安堵の表情を見せる。
守護所勤務の守護官が避難誘導をしてくれているおかげか、もう殆ど人は居なくなっている。

そこにルシアンとリアムも合流した



人獣は牙を剥き出して唸りながらレティシア達を見ており、前のめりの身体はすぐにでも飛びかかってきそうだ



レティシア
「ったく、戦いにくいったらねぇな」

ルシアン
「考えるな。…考えたら何も出来ないぞ」

レティシア
「だな。…行くぞ」

ノア
「うん!」

リアム
「おうっ」


レティシアが地面を蹴って走り出し近付くと人獣は右腕を振って攻撃をしようとするが、彼女が急ブレーキをかけて方向転換をする。
勿論、空振りに終わり。身体を捻ったまま顔をレティシアに向けた人獣の背後に迫っていたルシアンが無防備の後頭部に蹴りを入れると、その勢いに対応出来ずに地面に突っ伏す


リアムが捕まえようと迫るが、人獣は脚と身体を捻るようにしてそのまま鋭い爪がリアムを襲う



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