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Smile Bouquet

第16章 正体




ノア
「オレも見学、行って良いですか?」

サーラ
「ふふ、勿論。特別室の全員で来ても良いのよ?」

ノア
「じゃ、そうします」


他愛ない会話をしながらノアはさり気なくサーラのグラスにシャンパンを注ぐ。
その繰り返しを何度かした時、タイミングを見計らっていたノアは口を開く


ノア
「サーラ補佐官って自分の権力と金を使って色んな男と呑んだり…寝たりしてるって本当ですか?」

サーラ
「…え…?」


先程まで楽しい空気が漂っていたがノアの言葉で、ぴんっとその場が張り詰める。
サーラは突然の言葉に驚いてノアを見詰めるものの、その瞳は揺れている


ノア
「その反応は事実ですね。…でも、サーラ補佐官って旦那さんも…お子さんもいらっしゃいますよね?」

サーラ
「……っ…」


息苦しそうな表情を浮かべるサーラをノアは視線を逸らす事無く見詰める。
そして、グッと持っていたグラスを傾け一気にシャンパンを喉へ通す


サーラ
「何が…知りたいの?」


震える声で問われたそれにノアの口元は僅かに歪む。
ノアは自分が持っていたグラスにシャンパンを注いでサーラへ差し出す


ノア
「難しい事じゃないですよ。サーラ補佐官の酔った姿が見たいんです」

サーラ
「……ぇ」


良く分からない、その思いが隠しきれていない表情をサーラはノアに向ける。
だが、もっと難易度の高い要求をされると思っていた彼女は僅かに息を吐き出す


サーラ
「そ、そしたら…家族には黙っていてくれるのかしら…?」

ノア
「はい。家庭を壊すつもりは無いんで」

サーラ
「でも…どうして、私の酔う姿を…?」

ノア
「誰も見た事が無いサーラ補佐官の酔う姿を見れたら…優越感に浸れそうじゃないですか?」


真意を読み取らせないノアの笑みは、不思議な魅力がありサーラは思わず見惚れる。
色んな女性から求められるノアが自分を求めてくれているんだと、サーラこそ優越感に浸っていた。

サーラはノアが差し出しているグラスを受け取り傾け…酔うまで色んな酒類を呷り続け─



サーラ
「あれはね…」




話を聞き終えたノアはソファの上で眠るサーラを振り返り



ノア
「オレはあの日から姫さんしか見てないんすよ…」



彼女に言われた"女の子達が遊んでくれない"に対しての本当の理由を吐き出し、その場を去る



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