第13章 憧れに似ているあいつ
【リアム·ランベール】
ミルクティー色の髪は母親譲り。
大きく少しだけつり上がっている目は父親譲りの男の子はランベール家で祝福されて産まれてきた。
弟にも恵まれ笑顔が絶えない家庭の中でリアムは育った。
12歳の時、リアムが1人家で留守番をしているとガラスを割る音が耳に届いた。
それは明らかに故意に割られたものであるのが分かり、リアムは慌てて二階にある自室から飛び出て一階に向かう。
だが、一階に降りてからリアムは静かにリビングを覗く。
そこには4人の男が我が物顔で、普段リアム達が寛いでいるリビングを容赦無く荒らしていく
リアム
(……無理だ…)
人数の多さと恐怖にリアムは、思わず廊下に隠れる。
男達は各々に引き出しや棚を開けていく。
リアム
(…このままじゃ…駄目だ…!)
好き勝手に荒らされているのを、ただ隠れて見ているだけなんて駄目だと考えたリアムは気合を入れるように両頬を叩き、震えそうになる脚を動かしてリビングの扉を思い切り開ける。
男1
「…っ…何だガキか。びびらせんなよ」
リアム
「や、止めろよ。他人の家…勝手に荒らしてんな」
男2
「おいおい…何だよそれ。まさか…この人数に挑むってか?」
戦った事の無いリアムは両拳を握り構える。
それを見た男達は彼を馬鹿にするように汚く表情を歪めて笑い出す
男3
「良い子だから…少し大人しくしててくれ。な?」
1人の男がリアムの腕を掴もうと手を伸ばせば、リアムは反射で身軽に避ける。
男1
「おい、何逃がしてんだよ」
男3
「すまん、すまん」
後頭部を掻いて笑った男は、また手を伸ばしてくるがリアムは何かの真似をするように男の腕を両手で掴み、ぐっと下へ引くように力を込める。
すると、男はそのまま床にうつ伏せの状態で転がった
それには、全員が驚いた。…勿論やった本人さえも。
だが、それに腹を立てた男達は荒らす手を止めリアムへゆっくりと近付く