第13章 憧れに似ているあいつ
どこかすっきりした様な表情を浮かべるリアムを見て、レティシアを除く全員が謎が解けたのを理解する。
一方リアムは、腰に手を当てて彼を見ているレティシアの前で止まり、じっと見詰める
レティシア
「な、何だ」
リアム
「なぁ、12年前の事覚えてるか?」
突然の問い掛けにレティシアは数秒固まる。
だが、すぐにいつもの調子に戻り
レティシア
「私がまだ人間だけを捕まえてた頃だ。…あんたを助けた事を言ってんなら、覚えてるよ」
リアム
「え…そう、なのか?」
レティシア
「嗚呼。覚えていたから、あんたをこの部署に招いたんだ」
初めて聞かされる真実にリアムの口は開いたまま塞がらなかった。
それを聞かされた特別室のメンバーも驚いて固まったが、すぐにノアがリアムに詰め寄る
ノア
「ち…ちょっと、どういう事?」
リアム
「俺が12の時に助けてくれた恩人がレティシアなんす」
ルシアン
「憧れのっていう、あれか」
リアム
「はい」
レティシア
「憧れって…やめろよ」
リアム
「けど、事実だ。…あの時の俺には衝撃だった。俺と同じ位の歳に見える女の子が守護官で…しかも大人を捕まえたんだ」
リアムからの言葉にレティシアは、恥ずかしそうな…それでいて気まずそうな表情を浮かべながら話を聞く
リアム
「あれから俺は守護官を目指した」
彼はその時の事を思い出すように目を細めて、当時の事を語り始めた─…