第13章 憧れに似ているあいつ
マティス
「この職場だって彼女が紹介してくれたんだ。きっと、色々とやってくれたんだろう」
心底感謝するような笑みを浮かべてリアムを見る
マティス
「ちゃんとした守護官になりてぇとかなら、彼女を目指しな。…ま、簡単になれねぇとは思うがな」
リアム
「…確かに、そっすね。あいつはいい加減だけど、すげぇ奴だなって一緒に居て思います」
リアムが笑うとマティスは、何故か自慢気にした。
捕まえても犯罪者から感謝されるレティシアの凄さを実感するのと同時に、自身の中にあった全てが繋がり…結局、間違っていなかったそれにリアムは口角が上がる。
リアム
「今日はありがとうございました。仕事中にすみません」
マティス
「いや、構わねぇさ。レティシアさんに宜しくな」
リアム
「はい」
マティス
「頑張りなよ、兄ちゃん」
リアム
「はい…!」
リアムはマティスに肩を叩かれ強く頷いた。
人を捕まえる事は少ないかもしれない、だが…もしもそうなれば彼女のような対応をしたいと思いながら、マティスと別れバイクに跨りヒガンバナ基地へと走らせる
─ 特別室 ─
レティシア
「良く見えんな」
ソフィア
「鮮明化して、これなので…難しいかと」
レティシア
「…人にも獣にも見えるな」
ルシアン
「たまたま、そう見えるだけか?」
リアムを除いた特別室のメンバーが液晶を眺めながら難しい顔をする。
モニターの液晶には、姿がはっきりとは映っていないが人間の様な獣の様な黒い影が映り込んでいた
─バンッ
ソフィア
「ひっ…!」
ノア
「びっくりしたぁ…」
突然、大きな音をたてて開かれた扉の音にソフィアは跳ね上がり、ノアは心臓の当たりを抑えて振り向く。
レティシアとルシアンとオリヴィアは、小さく反応をした
レティシア
「リアム。静かに開けろ、静かに」
リアム
「わ、悪い」
音の主はリアムだった。
答え合わせをしたくて慌てていた為か、つい勢い良く扉を開けてしまったのだ。
レティシアの注意で、その事に気が付いたのか苦笑しゆっくり扉を閉めると中に歩を進める