第12章 "印"
ルシアン
「まさか、その噂話が本当なのか調べてるとか言わないよな」
レティシア
「そのまさかだ。ただの噂話で流せる感じじゃ無い気がするんだよ。…事実な感じがして気持ち悪ぃ」
ルシアン
「…俺も手伝ってやるよ」
レティシア
「え?」
ルシアン
「お前の勘は当たるからな」
腰に手を当てて笑みを浮かべるルシアンへ初めて視線を向け、レティシアは礼を述べた。
それから数日…絶対に見付からないと思っていた宗教団体の隠れ家は優秀な2人によって暴かれていた
突入前、レティシアはルシアン達部下を見て声を上げる
レティシア
「良いか、悪事ばかり働いている宗教団体の奴等を1人残らず捕まえるんだ。その中に多分だが、苦しい思いをしてる人物もいるかもしれない。その存在は保護する」
全員
「はいっ…!」
各々が持ち場につきレティシアの合図を待っている。
そして、静寂の中にレティシアの合図が無線を通して響けば全員が宗教団体の隠れ家に突入をした
ルシアン
「おら、大人しくしろ」
信徒
「うっ…」
ノア
「ほらほらー、暴れんなー」
信徒
「く…っ」
信徒
「教祖様!お逃げ下さい!」
誰一人として逃がさない様に各自で捕まえていると、何人もの信徒が捕まりつつも教祖に逃げるよう叫ぶが…
レティシア
「だってよ、教祖様」
教祖
「……っ」
不敵な笑みを浮かべたレティシアが教祖の前に腕を組んで立っていた。
真っ赤な口紅で彩られた唇を悔しそうに歪めレティシアに反抗しようと、ソフィアを殴っていた鞭のようにしなる棒を取り出す
レティシア
「大人しく捕まる気は無いようだな」
教祖
「と、当然です!」
レティシア
「無駄な抵抗だと教えてやろう、教祖様?」
教祖
「お黙りなさい!」
声を荒らげて突進してくる教祖が振り上げた腕を掴んで下に引きレティシアは素早く後ろに回ると、手を掴んでいる方の肩を後ろからぐっと掴み床に押し付ける。
教祖
「く…ぁ…!」
教祖は痛みに苦悶の表情を浮かべた後、悔しそうに掴まれていない方の拳で床を叩く