第12章 "印"
教祖
「は?…今日はやりたくない…?」
ソフィア
「……っ…」
教祖と2人きりの部屋に彼女の冷たい声が響いた。
初めて聞く声と冷たい表情にソフィアの身体は跳ねた
教祖
「そう…それなら、やりたくなる様に…躾なくちゃね」
今まで素直に従ってきたソフィアの初めての拒みに、教祖は痛みと恐怖で従わせるしか無いと理解した。
だが、逃げられない様に焼き印をいれた教祖の表情には余裕が覗いている
ソフィア
「あぁ…!」
教祖
「ほら…まだやりたい気持ちになりませんか?」
ソフィア
「いっ…や、やる!やります…っ」
ソフィアの言葉に鞭のようにしなる棒で叩くのを止め、真っ赤な口紅で彩られた唇で笑んだ。
ハッキングし、それを拒めば暴力が振るわれる環境でソフィアは6年過ごした。
だが…16歳のその年…ソフィアに変化が訪れようとしていた─…
噂好きな女1
「えぇ、暴力!?」
噂好きな女2
「ちょっと!声が大きいわよ…!」
噂好きな女1
「ご、ごめん。…でも、そんなのどこで聞いたの?」
噂好きな女2
「さぁ…私も聞いた話だから分からないわ。…でも、どこの宗教団体もそうなのかしらね?」
噂好きな女1
「暴力を振るうのが…?知らないけど、怖いね」
噂好きな女2
「そうね。私達には馴染みの無い世界よね。…あ、そういえばあそこの夫婦!旦那さんが不倫してたみたいよ」
噂好きな女1
「ええっ…!」
公園のベンチでレティシアがジルヴァと休憩している時に聞こえてきた噂話は既に別のものになっていて、他人事であるのが窺える。
その噂話が引っ掛かったレティシアはヒガンバナ基地へ帰り調べてみる事にした
ルシアン
「何調べてるんだ」
レティシア
「噂好きな奥様が話してた宗教団体」
唇に軽く触れ液晶から視線を逸らさずにレティシアは、ルシアンの問に答える。