第12章 "印"
その後、男子中学生はヒガンバナ基地のレティシアの元部下に預けられ、話を聞いてから宗教と両親の事に手をつけるものとなった。
2人で特別室に戻ると、レティシアはソフィアに近付き優しく肩に手を置いてやる
レティシア
「大丈夫か、ソフィア」
ソフィア
「レティシア…様…私っ」
レティシアの声を聞くなりソフィアは溜まっていた涙を溢れさせた。
その姿に立ったままレティシアは、ソフィアの頭部を引き寄せいつも纏っている長羽織物に顔を埋めさせる。
晒された腹部では涙を拭えないと思ったからだろう
誰も何も発さないその場にはソフィアの嗚咽だけが響いた
暫くしてソフィアが泣き止み顔を上げると、何故こんなに泣いてしまったのか説明しなくてはいけないとリアムへ視線を向ける。
だが、充血した目を向けられたリアムは心配そうに眉を八の字にする
ソフィア
「…リアムさん…聞いて、くれますか」
リアム
「…あ、いや…けど、辛いなら別に無理に…」
レティシア
「聞いてやってくれ、リアム」
レティシアにそう言われればリアムは、もう1度ソフィアに視線を戻す。
すると、ソフィアは大丈夫だというように頷いて見せた為リアムは話を聞く事にした。
事情を知る特別室メンバーは何も言わず勇気を出したソフィアを見詰める
ソフィア
「私の、親も…宗教団体の…教祖、に…洗脳されていたんです…」
リアム
「…ぇ…」
とてもタイムリーな話だとリアムは素直に思った。
今日、出会った中学生と重なり彼の胸は苦しくなるが静かに聞く事にする─…