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Smile Bouquet

第12章 "印"




レティシア
「フリじゃない。私の知り合いも魔法が使えるんだ。…そいつも虐められて、家族からも嫌われていたんだ」

中学生
「……っ…」


その言葉に彼は静かになり、恐る恐る振り向き…眉を下げ泣きそうな表情でレティシアを見る


中学生
「…その人、生きてる…か?」


不安気に吐き出される声はどこか縋るような音を持っていて。
本当は死にたくない…その気持ちが読み取れたのかレティシアは優しく笑み


レティシア
「生きてる。……生きて、今自殺しようとしてる奴の事を止めようとしてる」

中学生
「え…知り合いって、あんたの事?」

レティシア
「嗚呼。…あんたの事、私達に助けさせてくれないか」


少年はその人がその辛さを乗り越えられたか知りたくて問うたが、その本人が生きていて目の前で自分を助けようとしている人物だとは思っていなかった為、目を丸くする。


レティシア
「あんたの家に居る奴もあんたの両親も…私達が何とかする。だから、自殺なんてやめろ」

中学生
「……っ…本当に…何とか、してくれるのか…?」

レティシア
「嗚呼」


レティシアの強い瞳を信じたのか彼はいつの間にか零れていた涙を拭い、身体の向きをゆっくりと狭い場所でかえる。
が…涙で滲んだ視界だったのが良くなかったのか男子中学生は脚を踏み外して16階の屋上から落ちてしまった


リアム
「ばっ…!」

レティシア
「フィピテオ…!」


彼がこっちに来ると安堵していた2人は突然の事に驚いた。
だが、レティシアが咄嗟に魔法を使ったおかげで彼の身体は浮き…そのままレティシアとリアムの脚元に下ろされる。

突然の事で驚いた彼は座り込み心臓の当たりを、ぎゅっと掴んで目を見開いて呼吸をしていた。


レティシア
「はぁ……、急に魔法を発動させんのは大変なんだぞ?……まったく、死なせてやるものか。あんたが死ぬ必要はどこにも無いんだ、助けさせろと言ったろ」


そう口にはするもののレティシアは安堵したように大きく息を吐く。
その隣でリアムも力が抜けたのか座り込む



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