第3章 身をもって
彼女の笑みと言葉を聞いてリアムは眉間に僅かにシワを刻み、更に態度を崩していく
リアム
「は?何でっすか」
レティシア
「動きが人間よりも読めんからだ…まぁ、口で言っていても仕方がない。丁度1つ仕事が来てる…ついてこい」
目を細め片方の口角を上げて笑うレティシアを見ながら、リアムは余裕を顔に貼り付けて立ち上がる。
レティシア
「今回の任務地はここだ」
ノアが運転する車で辿り着いたのは街に少しだけ近い森だった。
だが、そこの木々は鋭い爪のような痕がついていたり無惨に切り倒されていたりする
リアム
「ひでぇな……つか、あんたはそんな格好でやんのか?」
レティシア
「何か問題でもあるのか」
リアム
「いや、問題っつーか…危なくね?」
レティシアのインナーはクロスホルダーでフロントがレースアップになっていて谷間が強調され、腹部は何も身に纏っていない事から白い肌が晒されている。
ホットパンツから伸びる脚をガーターストッキングが覆いそれをガーターベルトで止めていて、10cmほどの高さがあるピンヒールのニーハイブーツ…その全ては黒で統一されているが、明らかに戦闘向きではない。
そして、脛までの長さの羽織物の右二の腕にはヒガンバナの紋章ワッペンにその下には金の腕章がついている。
紋章は各基地名の花が基地色で刺繍されているのだ。
レティシアにもついている腕章は、訓練校"シンメ"で決まるランクのカラーである。
ちなみに"人材育成及び任務受注機関"であるルビーやアクアマリンの訓練校の事を"シンメ"と呼ぶ。
基本的には高校卒業後に入学し訓練生として2年間で守護官に必要なものを学ぶ事になる。
実行隊と援護隊があり、各々目指すところが違うものの訓練成績等でその人に向いている隊になるが、その振り分けが気に入らない場合はテストを受け、それに受かればかわれる。
そして、ランクは入学、進級、卒業前テストで都度変わる事もある。
ランクは上から…
S…最も優秀な者だけがなれるランクで居る事がほぼ奇跡。色は金
A…Sより劣るものの成績優秀者。色は銀
B…実施か筆記どちらかが長けている事が多い。色は青
C…至って平凡だが見込みがない訳では無い。色は緑