第8章 大切で残酷な暖かい過去
彼の中で答えが出ている以上、2人がどれだけ言った所でメディの意思は覆らない
メディ
「分かったね?」
レティシア
「うん」
つまりは、決定事項。
その翌日…全基地のモニターにメディが映っていた
メディ
『今回、ヒガンバナ基地の指揮官が現役を退く事となった為、今日はその席の後任を告げたいと思う』
視線を外さずに全基地の守護官はモニターを見詰め、その時を待つ
メディ
『ルビー所属ヒガンバナ基地の守護官、レティシア·ロベールくんだ』
最年少として有名なその名を聞いて全守護官が一瞬、しんとなったが次にはザワついていた。
特にヒガンバナ基地の守護官は、有り得ないと言うようにモニターを見ているレティシアを睨む
メディ
『これは決定した事だ。異論は認めない。では、宜しく頼むよ』
それを最後にモニターは切れた。
張り詰めた空気が漂い沈黙が続く
ユリスが言ったように自分の子供でもおかしくない年齢の少女に従わなくてはいけないというのは、想像よりもハードルが高いようで…
翌日からレティシアが指揮官になったものの指示に従うのはルシアンだけだった。
だが、それにへこたれるほど少女は弱くなく
部下
「指揮官!これは何だ。…こんなの聞いてない!これは、俺もやっていた任務じゃないか!」
レティシア
「……そう、貴方もやっていた任務。と同時に私もやっていたでしょ。指示に従わない貴方がいても役に立たないから、ルシアンとやった方がスムーズに進む」
命令違反が多ければ自分とルシアンだけでやってしまうのが早い、そう考えているレティシアは何の躊躇いも怯えもなく年上に淡々と言い返す。
それが悔しく腹立たしいにも関わらず…少女の言葉は正しいもので、言い返す事が出来ない
任務の解決スピードも優秀、間違いのない指示は段々とユリスを彷彿とさせるようになった