第10章 ※シャボンディ諸島
…移動後。
「さて…アイツんとこ、行くか。」
「あ…ねェ、ロー、私…ついて行ってもいい?」
「……そうだな、うん…」
(船残るにしても…ベポはもうどっかフラつきに行ったしな…。アイツんとこ連れて行くのも、危険なような気がする…。しかし、何故俺は呼ばれた? 他の奴らも来るからなんとか言っていたが、目的が分からん…)
「……ロー?」
「あ、すまねェ。そうだな…一緒に来るか?」
「うん‼︎」
「あ、お前舟番よろしく。」
「俺っすか⁉︎」
ローに指名されたのはシャチだ。
「俺遊びに行こうと思」
「よろしく。」
「…ハイ、ワカリマシタ‼︎」
ローに睨まれ、渋々承諾した。
「俺変わろうか? 船残りたい気分なんだが…」
「じゃあよろしくっ‼︎ そして行ってきます‼︎」
シャチはヒラリと飛んで逃げるように船を出て行った。
ちなみに変わってもらったのは、ペンギンである。
「…いいのか、ペンギン?」
「今日はゆっくりしたい気分です。船長も真鈴ちゃんも、気をつけて行ってらっしゃい。」
「おう。」
「うん、ありがと、ペンギンさん‼︎」
「呼び捨てでいいよ?」
「え? …あ、うん、じゃあ…そうするね、ペンギン」
「‼︎」
真鈴はニコッ、と笑って言った。
その笑顔にペンギンは少し、ときめいた。
その証拠に、ペンギンの頬が少し火照っている。
(…いやいや、真鈴ちゃんは船長の女‼︎ 気になっちゃ、駄目だっ‼︎)
「…っ! 行くぞ。」
「わ⁉︎ 」
「行ってらっしゃーい」
ローは真鈴の手を強引に引いて、船を出た。