第10章 ※シャボンディ諸島
…朝食後。
なんやわいなした後。
真鈴は船の柵にもたれ海を見つめていた。
「…あ‼︎」
遠くに一つの島が見えた。
木が生い茂っているのが、遠くから見ても分かる。
「島…‼︎」
「あ? もうそんなに進んだのか。」
「わっ⁉︎」
背後にローが立っていた。
「足はもう大丈夫なのか?」
「あ、うん。もう普通に歩けるよ。」
「そうか。」
2人の間に風が吹く。
「キャプ…っと」
ベポがローを呼ぼうとしたが、止めた。
(2人きりで話して…イイ感じじゃ〜ん♡ 後ででいいや。今はそっとしておこう…っと♡)
ベポはルンルンで部屋に戻った。
…船員達にキャプテンに話しかけるなよ〜、と言いながら。
…その頃、真鈴とローは。
海の向こうの島を見つめていた。
が、ローからくちを開いた。
「…おい、清者。」
「何?」
「あの島で、色々補給する。お前の服とかをな。」
「うん、ありがと…」
「あと……ある奴と会いにな。」
ローは声のトーンを低くして言った。
「ある奴…?」
声のトーンからして、少なからずローが好ましく思っていない人物なのだろう、と真鈴は思った。
「絶対にそいつに顔見せんな。」
ローが厳しい口調で言った。
「そりゃ…そうでしょ。顔見られちゃ…私のこと知っているかもしれないのに…」
「あいつは絶対‘‘清者”のことを調べるつくしている筈だ。」
「……。」
(調べつくしてる…って、ストーカーか、‘‘あいつ”っていうのは⁉︎ ある意味気持ち悪…)
ゾワリ、と背中に寒気がはしった。
「…まぁ、それ以前に、あの島は海軍がうろついているだろうな。」
「‼︎ バレないようにしなきゃ…」
(見つかったら……っ‼︎)
見つかったらどうなるか分からない恐怖に、背中だけじゃなく、身体全体が震えた。
「………。」
「⁉︎」
ローが真鈴を抱きしめた。
ドクン、と一気に心臓が高鳴る。
「ろ、ろろロー⁉︎」
「俺達がそばにいる。海軍のとこには、戻らせはしねェよ…。」
「…‼︎」