第21章 一緒に……お風呂?
「え、シャチ大丈夫なの⁉︎」
風呂場の中から真鈴が問う。
「さぁな……今はタオル取りに来ただけだ。」
「じゃあなおさら早く戻らないといけないじゃないですか‼︎」
「戻る。じゃあな」
ローは洗面所から出て行った。
「…ねェ、ベポ」
「アイ?」
「……身体冷えたから、もっかいお湯に浸かってくる」
「奇遇ですね…僕もかなり冷えてしまいました…」
ベポは風呂場に入り、また2人仲良くお湯に浸かったのであった…。
…風呂からあがり、朝食後。
真鈴はシャチのいる船員部屋にこっそり入った。
〈あんまり船員にお前の能力みせるな。〉
(…前にあぁ言われたけど、私の能力は何の為の力なの、ってなるじゃない…‼︎)
扉をゆっくり開ける。
「失礼しまーす……シャチいる?」
ペンギン「あ、真鈴ちゃん」
「ローいない…よね?」
ペンギン「さっきまでいましたが…今はいないですよ」
「入っていい?」
ペンギン「駄目です。風邪うつったらどうするのですか⁉︎」
(もしそうなったら、船長に怒られるのは俺だぞ⁉︎)
「いいから‼︎ お邪魔します」
ペンギン「あ、ちょ…‼︎」
早急に扉を閉め、ペンギン達の元へ走り寄る。
ペンギン「せめてマスクし」
「すぐ終わるから‼︎ シャチ、聞こえる?」
布団をかぶり、しんどそうにしているシャチに話しかける。
シャチ「う…真鈴、ちゃん?」
「あ、起きてた。大丈夫?」
シャチ「駄目だって…近寄んなよ、うつっちまう」
「今治すから。ジッとしててね…」
『? ? ?』
シャチの心臓辺りに両手をかざした。
真鈴は目を閉じ、念じ始める。
すると淡く手が光り始め、シャチの身体を光が包んでいく。
ペンギン「え、え、え、え?」
シャチ「な…⁉︎」
(だんだん身体が軽く…‼︎ しんどくなくなってきた…⁉︎)
…3分後。
「…はい、これでもう大丈夫だと思う」
目をゆっくり開き、シャチの身体から自分の手を引き戻すと光は消えた。
シャチ「し、しんどくなくなった…」
ペンギン「熱は⁉︎」
ピピピッ
ペンギン「熱がねェ…下がってる⁉︎」
シャチ「ど、どういうこと、だよ、真鈴ちゃん⁉︎」
「…他の皆に言っちゃ駄目だよ。秘密だからね」
ペンギン「……まさか、」