第15章 ヨゾラ島
それを見たローは慌てふためく。
…そんな顔されるとは思ってもいなかったのだ。
「す、すまねェ…‼︎ そんな顔するな…もうしねェから…」
わたわたを慌てふためきながら謝るロー。
…そんなローを見て、真鈴はふきだした。
「⁉︎」
「…っははは‼︎ ローの慌てッぷり…面白すぎ…‼︎」
「なっ…テメェ、わざとか…⁉︎」
「うん。こそばされた、仕返しよ‼︎」
「ちっ、やられた…」
ローは頭をかいた。
…その頃、ロー達を呼びに行こうと、ベポが展望台の下まで来ていた。
「……終わったかなー?」
ちなみに、だいぶ前からの会話内容全て聞いていました。←
「…キャプテーン‼︎」
「‼︎」
「…ベポか。」
「じゃない?」
「キャプテンー‼︎ 上がりますよ?」
「あァ、来い。」
トントントン、とベポが階段を登ってくる音が聞こえてくる。
床…もとい天井の入り口が開き、ベポが顔を覗かした。
そして、お互いくっつき合っている2人を見て頬をやんわり赤色に染めた。
「……イイ雰囲気中すみません…他の船員、各自やることバラバラなので、風呂入りたい奴らはもう入りましたよ? あと、遊びに行った奴らが数人…」
「…あァ、分かった。サンキュ、ベポ。」
「あ…アイアイ‼︎」
…ローに礼を言われ、心が跳ね上がったベポであった。
「ロー、下降りる?」
「あァ。…お前先風呂入ってこい。ベポ、見張り頼む。」
「アイアイ‼︎ 真鈴さんの見張りですよね? 先行ってます‼︎」
パタンと扉が閉まった。
「じゃあ私、先行くね」
そう言って真鈴は立ち上がり、扉の方へ歩きだした。
「真鈴」
「?」
ローに呼び止められ、後ろを振り向く。
ローは立ち上がり、こちらに来た。
「…最後」
「? …っ‼︎」
唇を重ね合わせた。
名残惜しそうに唇を離す。
「もう…なによ」
急にキスされ、心臓がバクバク唸り始める。
「…下行ったら、あまり出来ねェだろ。」
ローが不機嫌そうに、ぷくっと軽く頬を膨らませた。
「…っ」
(ヤ、ヤバイ、ローがめっさ可愛く見える…‼︎)
…真鈴の心臓がブロークンしそうだ。
この船の船員全員に見せても、そうなるだろう。
「…俺、部屋居るから。」
ローは通常の表情に戻り、さっさとこの場をあとにした。