第15章 ヨゾラ島
(でも.ローはローで頑張ってるみたいだし…)
少し考えた後、こう言いきった。
「分かった…じゃあ…私も頑張ってローに応える‼︎ (恥ずかしいけど‼︎)」
「…は⁉︎」
(何故そっちにスイッチいれる⁉︎ ますます自分で抑えきれなくなるじゃねェか…‼︎)
ローは驚き呆れ、ハァ、と小さくため息をついた。
「お前…変な奴だな」
「変⁉︎」
赤い顔をしてローを見つめる。
(…あぁヤバイ、可愛すぎる…)
「…私、そんなにへっ⁉︎」
ローが真鈴の目の下に、かすかに残っていた涙を舐めとった。
「ちょ…いきなり何」
「…しょっぺェ」
「そりゃ…涙だし」
もう片方の目の下に残っていた涙を、手の甲で拭った。
「あ、」
「?」
「…何でもねェ」
真鈴の頬を撫でる。
(もう片方もやってやろうかと思っていたんだがな…)
「……あ、あれ、シャチ達じゃない?」
「あ”…?」
ローがそんなこんな思っているうちに、真鈴は外を見ていたようだ。
…大通りの奥の方でハートの海賊団のツナギが見える。
「外見てたのかよ、今の状況で…」
真鈴が見ていた方を向きながら、ボソリとローは呟いた。
「え? 何か言った?」
「……。」
ローはチッ、と舌打ちをし、それから、真鈴の身体を正面から抱きしめた。
「キャ⁉︎」
心臓が激しく動悸を打ち始める。
「…しばらくこうさせろ。」
「な、え…で、でも、もうすぐシャチ達来ちゃ」
「そんなこと、今はどうでもいいじゃねェか」
(急にどうしたの、ロー…?)
急にローの様子が変わった。
何か…イライラしているように見える。
「ちょ…ぎゅっ、てするのはいいけど、外から丸見え…‼︎」
「見せつけりゃいいだろ。」
「ヤダ‼︎ 恥ずかしいよ‼︎ せめて、しゃがんで欲しい…」
「…あぁ分かったよ、しゃがめばいいんだな?」
真鈴を抱きしめたまま、その場にしゃがみ込む。
「…ねェ、ロー…私、何かした?」
「……した」
「え⁉︎」
思いがけないことを言われ、頭を石でぶつけたみたいに、ガーン、とショックを受けた。
「…ごめん、私…何したか、分かんない…」
「……俺だけを見てろ」
「‼︎」
「…お前、あんな雰囲気で呑気に外見てやがるから…イラついた。」
「あ…」
…あの時のことか。