第13章 海賊生活、その1
「船長…今日は来ないのかな」(船員3)
「今日は?」
「船長ってねー、時々部屋にこもって何かしているんだと。」(船員3)
「ふーん…」
「ベポ来てないから、まだ分からないぜ?」(船員4)
「アイー‼︎ キャプテン、もうちょっと後で行くってさ‼︎」
「あ…そうなの」
「じゃー早く食べようぜ♡」(船員4)
「じゃー、お言葉に甘えて…」
『いただきまーす‼︎』
「⁉︎」
…ものすごい勢いで船員達が食べ始めた。
その光景に真鈴は、思いっきり目を見開いた。
『美味ーい‼︎』
全員大合唱。
「この煮物最高ー‼︎」(船員4)
「ご飯が進むぜー‼︎」(船員4)
「味噌汁美味ェー‼︎」(船員4)
「一回で言いやがれ、何回叫んでんだよ‼︎」(船員1)
「だって…美味すぎるから」(船員4)
空になったお茶碗をビシ、と真鈴に向けて言った。
「…よく噛んで食べなさい。喉詰まっても知らないわよ」
「…は、はい‼︎」(船員4)
「なぁなぁ‼︎ これ全部、味付けしたの真鈴ちゃんだろ⁉︎ ベポのと違うぜ‼︎」(船員3)
「あ、うん。…もしかして、マズかった…?」
「そんなわけねェだろ、すっごく旨ェよ‼︎」(船員4)
「!…よかった‼︎」
ふにゃあ、とさっきまで険しくしていた表情が柔らかくなった。
船員(3と4)に微笑みかける。
「っ‼︎」
…そばにいたシャチが真鈴の微笑みに、心臓を鷲掴みされた。
ポッ、と頬を赤く染めた。
(……やべェ、可愛い…)
「悪ィ、遅くなった。」
「キャプテンー‼︎」
シャチがどうのこうの思っているうちに、ローが部屋に入ってきた。
「ふみひゃへん、ひゃふてん‼︎ おしゃきにいひゃひゃいていますひょ?」(船員4)
[訳:すみません、キャプテン‼︎ お先にいただいていますよ?]
「…くちにモノを含みながら喋るな、馬鹿めが…。汚ねェだろ…」
「ふ…ふみまひぇん…」(船員4)
「ロー‼︎」
真鈴がこちらに駆けてきた。
「っ‼︎」
…フリフリのエプロン姿で。
ちなみに、ペンギンが即興でこしらえたモノである。
ベポが頼みこんで、作ってもらったのだった。
“キャプテ…じゃない、真鈴さんの為に作って下さい‼︎”
“…分かったよ、作ってやるよ”
(船長の為にだろ? お安い御用だ…)