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僕と彼女の共同戦線

第3章 謎の女性


「えっと、自力ですかね。
ふっかつ、えき?はかけられてませんー」
「……!?自力って…それ千空と…」
しまった、とクロムが口元を抑える。

「千空さん…??……羽京君、誰だったっけ?その人」なんか名前よく聞くけど…と羽京に会話をパスする。

ああ、ここでしらばっくれるんだ、と羽京は内心で苦笑いした。

「科学王国のトップの人かな」
「ほえ~そうなんですねー」

いまいち分かったのか分かってない雰囲気の葵に、流石のクロムも頭が大丈夫なのか心配した様だ。

「……千空はな、3700年間ずーっと石化状態で頭フル回転させてたんだよ」お前も一緒なのか?
と尋ねるクロム。

千空と同じ頭脳派の可能性がある人間が司帝国に居るーー
だとすれば、大きな収穫である。…情報を持ち帰れるかはともかく。

「??そう言う事になるのかな~。まあよろしくね~」くいっ、と首を傾げる葵。

「……着いたよ」羽京の一言で、クロムは前方を見据える。

最奥にいる、明らかにオーラの違う人物が居る。
その大きな人影に近付き、高らかに宣言する。

「……よぅ、初めましてだな。俺はクロム。
科学使いだ!!!!」

洞窟に大声が響いた。











「お名前、クロム君なんですね。科学使いか~。
じゃあ私は歌使い、ですかね~」

「あはは。そんな言葉、あるかな…?」羽京のツッコミに、今作りました~と平然と答える葵。

「おま……!せっかく人がキメてるのに何割り込んでんだよ!!!てかお前もなんか歌うのか?」
クロムの脳裏に、リリアンの歌が脳裏に蘇る。

「すみません、つい~。歌いますよ~。
石化前は歌手…えっと、クロム君は現代の人ではないのでしょうか…?
じゃあ知らないと思いますが、これでも昔は歌う事でそれなりに活躍してた人間なんです~」

「へえ……」これは、意外な答えだ。てっきり、千空の様に秒数でも数えてた科学使いかと思ったのだが。


「あはは。葵、君はちょっと席を外しとこっ
か?」
羽京にそう言われて、??はいな~と緩い雰囲気を醸したまま、彼女が去る。




んん…??おぅよ、歌使いとか何とか言ってる場合じゃねえ!!!
葵の空気を読まない一言のせいでぶち壊しになったが、改めて名乗る。

「……司。俺は、石神村のヤベー科学使いだ!!」
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