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僕と彼女の共同戦線

第16章 おやすみの前に


ーーその足で、コールドスリープ直前の面会に向かうゲンと未来に声をかける。もうすぐ、司は眠りにつく。その前に、どうしても渡したかった。

「??どしたの?羽京ちゃんに葵ちゃん。」
「……未来ちゃんはお花が好きかな?」
そう言いながら、羽京が未来の前でしゃがみ、一輪の青い薔薇を出す。

「…うん!!…これ、えーっとなんやったっけ?バラ…??」未来が答える。
「そうだよ~。花言葉って分かるかな」葵もしゃがむ。

「?なにそれ」「お花にね、それぞれ意味を持たせたんだよ。……青い薔薇はね、実は本当は作れない花なんだ」彼女がそう解説する。

なるほどね。それを見ていたゲンが、二人の意図を察した。
「そうなん!?」「そうそう。…青い薔薇は自然では生み出せないんだ。でも、人間の培った科学で青い薔薇は作られる様になったんだよ」
葵が笑いかける。そうなん!?すごいなぁ…!と感嘆する未来。

羽京に視線を流すと、それを合図にスッ、と青い薔薇を彼が差し出した。
「……これ。君にあげるよ」「…??ええのん?こんな綺麗なの…?」いいんだ、と羽京が頷く。

「……青い薔薇の花言葉、知ってる?ジーマーで縁起がいいんだよ」ゲンが話に入ってきた。
「昔はね、『不可能』とか『存在しないもの』って言われてたの。でも今の花言葉はね……

『夢が叶う』『神の祝福』…変わったのよ、ジーマーで。青い薔薇の意味が。」

科学によって、人間の手で生まれた、幻の花。
その花言葉に、未来ちゃんが瞳を輝かせた。
「めっちゃええなあ…!素敵やわ〜!」「でしょ?だから、これ。僕と、葵から。贈り物だよ、未来ちゃん。……実はね、君のお兄ちゃんもこの同じ花を持ってるんだ」
そう言って、羽京が青い薔薇ーー正確には杠が布で作った造花のーー希望の花を渡した。
「…お揃いなんやね…?いしし、ありがとう!!羽京くん、葵ちゃん!!」
笑ってお礼を言う未来の姿に、贈り主の二人も笑みを返した。

「じゃ、あとは俺がお見送りするね~!」ゲンがそう言って未来を司の元へ連れていく。
手を振ってから去る未来の姿を、二人はいつまでも眺めていた。
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