第16章 おやすみの前に
「いしし…ごめんなさい…来たらあかん言われたけど、どうしても心配なってもうて、覗いてもうた」
「こっちじゃぞい!杠!葵!」奥で手術の準備をしていたカセキが声を上げる。ま、まずい。
「ちょっと待っ「え、針仕事って、まさか……」
杠と未来が固まる。あー……見せちゃいけないやつなのに……
「え~と…麻酔とかある訳ないけど…手術…?ジーマーで…??」ゲンが念の為確認する。
「ククク…霊長類最強男舐めんな!麻酔無しでいけんだろ、司」千空がカッ!と目を開く。
「もちろん」死んだ魚の目…いや、まな板の上の鯉の目で言う司。
「ひいぃいいいい!!!」ゲンの叫びと共に、未来があまりの光景にショックで倒れた。
「いやそりゃ中身6歳児だもの、未来ちゃん…」カセキが呟く。
「全くもって同感だよ…なんで見せない様に引き離す前に言っちゃうかなあ…」葵が同意した。