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僕と彼女の共同戦線

第16章 おやすみの前に


……あはは。普通に渋い顔して呟きながら両手で作業する姿が出てきた。羽京は苦笑いした。

「じゃあクラスメートの筆跡真似て宿題写すの依頼されたり、夏休みの課題代わりに仕上げてお小遣い稼ぎは」

これなら行けるよね!という顔で葵が言うが

「「アウトだね」」再度、羽京と司がハモる。

「えっ」「あはは、逆にどうしていけると思ったのか分からないんだけど…?」
「…うん。宿題は自分でやらないと…」致命傷を負った司にそんなしょうもない台詞を言わせている。

「勉強になります…!」そこ勉強してないのか。
「えーっと、お家の人にバレたりとかは…?」羽京が尋ねる。

「知能を使い人を纏め、他者の上に立ち、お金を稼げるのは知将としての血をよく継いでるから良し!って公認でした。先祖返りとか何とか言って、父が喜んでましたね~」葵のセリフに、あはは…と苦笑するしかない。

良家の出自というより、駄目な家では。才能は褒めて伸ばしてるけど……
突っ込めば突っ込むほど、更にツッコミポイントが出てくる自分の嫁に、羽京は頭を抱えた。

見かねた司が、「…まあ彼女の才能はきっと今後も凄く活きるだろうし…」とフォローなのか分からないフォローを意識もままならない状態でしている。

「でも、昨日の氷月と戦った時の彼の台詞に、君が『霊長類最強の女は自分』って言ってたけど、あれは俺もそう思うかな……」司が呟く。
「ああ、昨晩のですか?あれは普通に煽り文句ですが…」葵が意外そうに答える。

あはは、そんな事言ってたんだ氷月。と羽京が苦笑する。……本人はそのつもりが無いが、確かにそうかもしれない。

「その話、いいわね!面白そう!もう少し詳しく!!」

突然の闖入者その2。女記者の北東西 南が現れた。

「あれ、南ちゃん。お疲れ様!今日も髪の毛綺麗ですね。今日は特に下の髪の毛の辺り綺麗にセット出来てます~」ほんわかとした様子でサラりと葵が褒める。

「……っ!!女の子の細かい頑張りと変化に気付く!司サンの次に推すね!!葵ちゃん!
イケメンとして!!」そう言いつつ筆を既に走らせている。

「でも私女だし既婚者「既婚者!それよ!!
『霊長類最強の嫁』!!!!」

羽京は頭を抱えた。また自分達が記事にされる案件だ……。しかも割と否定できないのが辛い。
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