第3章 赦し
人の争う声が聞こえる。こちら側の勢力は既に半分以上がやられた。マルド・ギールも精霊王との戦いで戦闘不能状態、九鬼門も各自の戦闘で精一杯だ。今が好機だろう。殴りかかってきた雑魚の相手をジャギィたちに任せて私は目的の人たちを探した。
「その4人を置いて行ってくれない?」
「お、お前…!クレア か?エルフマンをやったのはお前だろ。いったい何があったんだよ。」
「お喋りしに来たんじゃないのよ、ナブ。私と戦うか彼らをこちらに渡すか、早く決めて。」
「ケガ人を渡せって、どういうつもりだよ?」
「渡さないのなら、引っ込んでて。」
「ぐぁっ‼」
ナブをジャギィノスのタックルで気絶させると私は4人をリオレイアの背中に乗せた。
「リオレイア、私の部屋までお願い。」
フシューとリオレイアが息を吐きだすと共に私たちは空中へと離脱した。