第1章 First Love 1
大スクリーンに
映し出されたそれは
光り輝いて
眩しくて
その姿に、
なによりも、その声に
ココロを奪われたんだ
.
〜1年後〜
「ねぇ!芝田も、そう思うでしょ?!」
「え?あ、あー、、うん、そう?かな、、」
「えー、なんかイマイチな反応〜」
「いや、知ってるよ!知ってるけど、、」
「はいはい、あんたはジャニーズ興味ないもんね」
「そんなことない!好きだよ、キスブサとか観るし」
「バラエティはね、でも、、そっちが好きなんでしょ?」
「………すき。」
「芝田、あんたやっぱ変わってる(笑)」
「いーの!好きなものは好きだから!!」
1年前に、ココロを奪われてから
この声を追いかけて
アイドルよりもジャニーズよりも
声優のあなたが、
寺島拓篤さんが大好きで。
二次元でもいい、あなたに会えるなら
どんなものでも聴いていたい
ー変わってる
そう言われるのも、
今は褒め言葉に聞こえる
「乙女ゲームなんて、好きだった?」
「もちろん嫌いじゃないけど、それよりも
寺島さんの声が聴けるだけでいーの!!」
「そりゃ私も、玉森くんがゲームになるなら絶対買うけど」
「それと同じなの!寺島さんめちゃカッコイイんだから」
「んー、同じ?なのかはかなり際どいけど、、、まぁ
同じヲタクなのは認める(笑)声優が推しなのさレアだけど」
「好きな人がたまたま声優だっただけ!!」
「だって、会えないじゃん!観れないじゃん!」
「それがね、会えることになったの!!」
「え?」
「この、ゲームのイベントでね、来るんだって!」
「今は声優さんも顔出しなんだね〜」
「私ね、今まで声だけで十分だったから顔見てなくて」
「え?!気にならない?普通…」
「でも今度会えるまで、やっぱり見ないことにしたの」
「…どーすんのよ、、、ブスだったら」
「どーもしない!!てかブスなんて言わないでよ」
「ごめんごめん(笑)まぁ楽しんでおいで!また聞かせて」
「うん!!寺島さんに、会ってくる!!!」
もうすぐあなたに会える
それだけで
胸は高鳴った
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