第14章 解決できそうですか
「はい、じゃあ触るね、」
突然心配そうに発された彼女の声、そして近づいた綺麗な手に俺は思わず間抜けな声を出した
「え、な、何で・・!?」
「あれ?だって白雲くんと山田くんが、」
———
「めぐ〜!ヒーロー科からお客さんだよ〜!」
自分を呼ぶ声に振り返る
教室の扉付近に目を遣ると、知らない人は居ないであろう、どこに居ても目立つ姿の二人が私を見て人の良い笑みを浮かべた
「めぐチャン!どうもどうも!
俺らA組の白雲、と山田っていいます!ヨロシクネ!」
突然でアレなんだけどさ、明日って何か予定あるかな?!
そりゃ助かるわ!
俺らの親友、そう、相澤ショータ!
最近すっげえ元気なくて体調も悪そうなんだ
前にショータから話聞いてさ!
君の個性でちょっとあいつのこと診てやってくんねぇ?
俺らに言えねェ悩みがあるのかも・・
明日も学校に居ると思うから、悪いんだけど探してやってくんない?!
あいつにも伝えとくからさ!
———
「って・・」
ぱちぱちと瞬きを繰り返したその瞳が俺を見上げる
やられた、完全に嵌められた
クソ、アイツが風邪なんて引くはずないよな、何で俺はこういつもいつも・・!
「あいつら、月曜まじで殺す」
「え、あ、もしかして初耳・・?」
———
・・・私、あの二人に揶揄われた!?
演習見学の時相澤くんを見てたの気付かれたのかな、
あの雨の日はさすがに見られていないはずだけど・・
いずれにせよ人の片想いを揶揄うなんて・・!
「ほんとごめん」
巻き込むなんてふざけすぎだろ、マジで絞める、相澤くんは下を向いてぶつぶつと呟いている
おずおずと目線を上げると、その癖っ毛の間から赤い彼の顔が見えた
「休みの日に、わざわざ来たの」
「え、あ、うん・・、ごめんね」
じわりと赤くなった耳を隠すかのように彼がガシガシと頭を掻く
察しのいい彼のことだ、私の気持ちに気づいてしまったのかもしれない
ああどうしよう、変な感じになるならいっそ宣言してしまおうか、ファンとして応援していますと、それ以上は望まないのでどうかお友達で居て下さいと・・!
「相澤くん、あのね・・!」
揺れる木々の音がやけに大きく響く中、身体ごと彼に向き直った私は意を決して言葉を紡いだ