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◉拗らせろ初恋◉【ヒロアカ】

第8章 いい写真だろ



「おい、みんな!!!
 超ビッグニュースだぜ!!!」

俺やっべぇ事に気づいちゃったのよ!そう興奮気味に話す姿に、がやがやとした教室を一瞬の静寂が包んだ

「どうしたの上鳴ちゃん」
「なんかあったのか?」
「なぁになぁにーー?!」

もう予鈴はとっくに鳴っているぞ!、そう制する声も同時に響いたが誰一人気に留める様子は無い


「保健室の薬師先生がよ!!
 今朝左手の薬指に指輪してたんだよ、
 先週はしてなかったよな?!」

「「「・・えええぇ!!」」」









あぁ、結局徹夜だ

それに昨日の晩もかなり無理をさせた
そろそろ頻度をコントロールしないとあいつの身体がもたないな

ったく、ガキか俺は

ろくな二十代を過ごしてないもんで、なんて何の言い訳にもならないことを考えつつ教室のドアに手を掛ける


「おはよう、ホームルーム始めるぞ」



「うっわぁー俺すごいショック!!
 今度メシ誘おうと思ってたのによー!
 薬師先生ってさ、綺麗で、優しくて
 いやちょっと可愛い系も入ってねぇ?
 あんな奥さんたまんねぇよなぁ!」

「あの柔らかそうな身体超エロいよなぁ
 そんで夜な夜なあの細い腰でよォ・・」


シュルルルッ! ビシッ!

「「グ、グヘッ」」



「お前ら・・
 今日も朝から元気で何よりだ・・」

先ほど耳にした聞き捨てならない台詞に
多少の私情は許せよ、と上鳴と峰田を締め上げる腕に力を込める


「相澤先生!薬師先生がご結婚されたというのは
 事実でしょうか!
 先生方は、お相手がどんな方なのかご存知
 なのでしょうか!」

「「「気ーにーなーるううう〜!!」」」

金曜一日ヒーロー課を見学していた彼女は、瞬く間にこいつらに懐かれたらしい

たった一日で・・人たらしめ・・


「まずは号令だ、飯田」

起立を促す声を聞きながら、これからの展開を想像し溜息が漏れる



先週と変化したのは彼女の指輪だけ
ったく、なんて目敏い奴等なんだ

特段隠す理由もないが騒がれるのは面倒、わざわざ結婚報告なんざする気は微塵もなかった

だがこの状況じゃ、彼女が詮索されるのが目に見えてる


「お前らに言うつもりは毛頭無かったが・・
 予め伝える方が合理的か」

気絶寸前の二人を解放し教壇へ上がると、生徒たちの視線が一気に集まった
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