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◉拗らせろ初恋◉【ヒロアカ】

第24章 口止め料は甘い香り



「休日に呼びつけて悪いな、通形」


「いっやぁー!朝いちでイレイザーからの着信は
 正直びびりますよね!」

「・・今日は薬師先生の体調が良くない、
 俺も世話で籠るから、一日エリちゃんを頼めるか」

緊急時以外、極力連絡も入れてくれるな
そう言うと相変わらずの明るい声が寮の廊下に響いた

「いやぁ蜜月な男女の休日!
 最近エリちゃんがベッタリでしたからね!」



話は以上だ、そう言って扉を閉めると間髪入れずに彼女の声が背中に届く


「え、相澤くん!?今の何!?」

「こっち来い、すぐに名前で呼ばせてやる」

「今日はエリちゃんと出掛ける予定じゃ・・」

手にしていた外出着を奪いその身体を肩に担ぐと彼女はじたばたと暴れた

「昨日のアレで、足りてると思うか」

「へ、!?」

「今日は部屋から一歩も出さないから、そのつもりで」

夜まで!?、そう小さく叫んだ彼女に笑いを堪える


「・・朝まで、だよ」



ベッドへ降ろしたその身体を押さえ込んで

数分前に身に付けたばかりのそれを下にずらし吸い付くと、甘い肌が紅く染まった

「んぁっ、しょ、消太・・っ!」

「寂しかったんだろ、埋め合わせするよ」





———


「めぐさんと一緒に寝るとね、
 ぎゅってしてくれて、いい匂いがして、
 とっても安心するの」

「ああ、わかるよ」

「せんせいも、めぐさんと寝るのすき?」

真っ白な紙の上に描かれているのは観覧車だろうか
ゴンドラは一つ一つが異なる色をしていて
少し見ない間に上達したもんだ、と感心する


「・・そうだね」

わたしもすき!、嬉しそうに笑ったその顔に多少の後ろめたさを感じたのは無かったことにしよう


「エリちゃん、今度また寂しくなったら
 先生のお部屋で三人で寝るのはどうかな」

流石に俺に添い寝されんのは嫌か、とダメ元での提案
しかし断られた理由は想像と違っていた



「でも、それだとめぐさんと
 ひみつのお話ができないから・・」

「秘密のお話?」

「せんせいの、こと!でもごめんなさい、
 くちどめりょう、もらってるから言えないの」


毎夜毎夜積らせた話があるのだろう、だがそれを聞かなかった事にするほど俺はアイツに優しくは無い

にやける口元を捕縛布に隠すと出来るだけ穏やかに声を発した

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