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【グノーシア】【短編集】広き宇宙の色恋船旅

第2章 異変【ラキオ】【裏】


グリーゼにある喫茶店で、道で偶然会ったレムナンと、近況報告も兼ねてゆっくり喋ることにした。
「レムナン今は何やってるの?」
「僕は、IT企業のエンジニアに、なりました」
「へぇ〜すごいね!レムナン機械好きだから楽しいんじゃないかな?」
「はい、凄く楽しいです」
ほんのりと頬を赤くして微笑むレムナン。心から機械が好きで今の仕事を楽しんでいるのが分かる。
「さんは、どう、なんですか……?」
「んー、私は特になんにもやってないかな。普通に家で仕事して、寝て起きての繰り返しみたいな感じ」
「そうですか」
そうなのだ。私の仕事は家でパソコンを使ってやる、所謂在宅ワークというヤツで、買い物もネットショッピングだし休日もずっと家で過ごすため、外に出る機会がほとんどない。
「あ、でも」
「?」
「ラキオが最近ちょっとおかしいんだよね」
「ラキオさんが……?」
最近のラキオは少し……いや、結構おかしい。
私とはあまり目を合わせようとしないし、一時期私を無視して何か言ったかと思えば私を遠ざけるようなことばかり。そして何週間か経てば今度は普通に接してくる。
一体どういうことなんだろうか。
そのことをレムナンに話してみた。
「うーん……僕も、ちょっと分かりません。力になれなくて、ごめんなさい」
「ううん、いいよ。私が勝手に悩んでただけだし」
「それにしても、それは、ラキオさんに何かあったのかも、しれません。理由もなく、そんな変な行動する人じゃ、ないと思うので……」
「そっか、それもそうだね。私、今度ラキオに会ったら聞いてみるよ。話聞いてくれてありがとね、レムナン」
「いえ、お礼を言われるようなことは、していません。頑張ってください、さん」
「うん!レムナンもお仕事頑張って!」
一通り話して、三時を過ぎた頃に店を出た。何度もいいと言ったけれど、レムナンが何を言ってもお金を払わせようとしてくれなかったので、諦めて奢ってもらった。
明日か明後日、聞いてみようかな。
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