第1章 感は鈍いが運はいい【沙明】【裏】
なんだなんだァ?さっきまで各々喋ってたのに。
「…もしかして沙明とにラヴ生まれちゃった?」
SQが至極驚いたという顔で言ってきた。
なんだそんなことかよ。遅せェっつの。
「なんだ今更か?俺らは元々心が繋がってた者同士ですケド?なァ?」
「昨日ちゃんと繋がったんでしょ〜?」
そこは元々繋がってたって言っとけよ。
「ワオ。まあSQちゃんもなんとなく察してたケドさ〜」
じゃあなんで言ったんだよ。
「まぁ昨日繋がったのは心だけじゃねーもんなァ?」
「そ、それは言わなくていい!」
そうやってからかったら、今度は後ろから殺気を感じた。
ギギギギ…と壊れたロボットみてーに不自然な動きで首を動かす。
後ろにはグノーシアでもねーのに赤く目を光らせた雑談の怖い話に使えるほどマジでホリブルな顔のセツがいた。
ヤベ。見つかった。
「…沙明。エアロックから放り出すから付いてきてくれ」
「誰がそんな要求飲むか!」
「君たちの仲が非常に良かったのは知っている。でもを好き勝手するのはやめてもらおうか」
「セツ聞いて!私沙明のことが本当に好きだから!ちゃんとお互いの同意の上だから!」
「……そうなの?」
オイ俺の時と態度違いすぎるだろ。
心の中で1人突っ込む。
「……が選んだのなら、何も言わないよ。」
落ち着いたみてーだな。いやー怖かったぜ。
「だが沙明…」
なんだよ…!俺はダメとか言ってきたらマジで俺もキレるぞ!?
「彼女を一度でも泣かせたら、君の命はないと思ってくれ…」
「……わーったよ」
やっぱ態度違いすぎだろ。ま、でもセツなりに俺達のコト認めてくれたっつーことだろ。
俺は嘘を見抜くことは全然できねーけど、コイツがマジで認めたんだなって思った。あと俺の命がないっつーとこも含めて。俺とが結ばれたのは、俺の運がいいんじゃなくて運命だったのかもしんねーな。