第1章 こんなに緩くて大丈夫ですか?
〜事業所にて〜
現時刻18:57
長い長い業務も後3分で終わる。
カップラーメンが丁度できる頃合いだ。
〜〜...♪*゚(コール音)
ピッ…!
――――宮城県宮城県。
『…お電話ありがとうございます。
音駒コールセンター、清水が承ります。本日はどのような御用件でしょうか?』
(後、3分で業務終了だったのに)
[あ、あの、旅行の予約について、なんですけど…]
『かしこまりました。御旅行の御予約についてのお問い合わせでございますね?』
[ひゃいっ!!]
『(ひゃい?)
それでは、御予約の内容を確認致しますので
Nから始まる10桁の番号を教えていただいてもよろしいでしょうか?』
[じゅっ、10桁!?
え、えーと…、ちょっと待ってくださいね?]
『かしこまりました。』
[えっと、えーっと…。]
操作音が電話越しでも聴こえてくる。
きっと旅行が初めてで慣れていないんだろう。
『お客様、差し支えなければ
一緒に操作の方をさせていただいてもよろしいでしょうか?』
[え!?そんなことまでしてもらえるんですか!?]
『お困りのようでしたので、お力になれればと思いまして。』
[じゃ、じゃあ!お願いしますっ!]
『それではご案内させていただきます。
まず初めに…。』
操作方法を分かりやすいように、かつフロー通りに。
お客様のお力になれるようにする。
約7分ちょっとで御予約の内容も確認でき、了承にて終話。
『(暑い、ヘッドホン。耳痛い)』
現時刻19:04